内臓の働きに欠かせない”自律神経”の話

自律神経

皆さんこんにちは!
鍼灸師オサダです。

今回は内臓の働きに欠かせない自律神経の話をしたいと思います。
なおこのブログは精神的な疾患のお話しではなく、体の仕組みとして「内臓と自律神経の働き」を解説していきたいと思います。

生きるために欠かせない自律神経

自律神経は自分の意思とは関係なく、体の均衡を保ってくれている大事な神経です。

代表的な働きとしては、循環・呼吸・消化・代謝・ホルモン調節・体温の維持などを調節しています。

体を動かす神経系は意識的にも調節できますが、自律神経は意識的に働きを調節できないため、不随意神経系などとも言われます。

1番の目的は『生体の恒常性(ホメオスタシス)』を維持する事です。
自律神経は体内・外の環境に応じて、主に内臓の働きを促進させたり抑制してちょうど良い状態にしてくれているという事です。

内臓の状態を脳に伝える自律神経

自律神経といえば‥
「交感神経」と「副交感神経」ですよね!
この2つの神経は”遠心性”と求心性”の働きを持っています。
(以前は遠心性の働きのみと考えられていた。)

遠心性の働きというのは、”身体の情報に対する反応”です。

例えば、「体が暑くなってきたから汗かいて体温を下げよう!」と体が反応したとします。
↑の赤文字が遠心性にあたります。

そして反対に青文字が求心性の働きです。

求心性とは”体の情報をキャッチ”する経路です。

イメージはインプットとアウトプットみたいなものです。

新たな情報や練習の方法を取り入れ(インプット)それに対する発信や反応(アウトプット)が体内では常に起きています。


もう少し生活に近い話でいうと、
食べ物が胃に入った時点で胃は迷走神経の反射から胃液の分泌が促進されます。
胃に食べ物が入ったという情報が脳に伝わり、それを消化しなくては!と遠心性に胃液を分泌するように体が反応しているという事です。

そして意外と知られていないのが、求心性の神経は「内臓求心性神経」といって、自律神経の働きに欠かせないことから、自律神経の一つとして捉えられています。
※交感神経、副交感神経と平行して走行しています。

当然ながら体の情報をキャッチできないとそれに対する反応は正しく行われませんよね。

自律神経には欠かせない”迷走神経”

迷走神経という神経を知っていますか?
迷走神経は脳神経の1つですが、脳神経の中で唯一、体幹部(お腹などの臓器)まで走行している長くて走行の複雑な神経です。

英語で迷走神経はvagus nerveと表記されますが、このvagusはラテン語で”さまよう”というような意味があり、そこから日本語では”迷走神経”という名前がついています。

この迷走神経は約80%が求心性の働きを持っていると言われています。
脳神経の一つであり、迷走神経は内臓の情報を伝える役割を持っています。
ちなみに副交感神経の約80%は迷走神経と言われています。

迷走神経は、大まかに分けて横隔膜より上の臓器と横隔膜より下の臓器へと走行しています。

繰り返しますが、迷走神経の約80%が情報を伝える求心性の神経、そして副交感神経の約80%が副交感神経です。


つまりこの迷走神経が内臓の情報を脳へ伝え、その情報を元に内臓の働きが促進したり抑制したりと調節されます。

腸と脳の関係が深いことから”腸脳相関”という言葉を聞いた事があると思いますが、脳から腸に送られる情報よりも、腸から脳に送られる情報の方が多いとされています。

内臓の働きはどのように活動が調整されているか

自律神経は元々なんのために人間に備わっているかを覚えていますか?

自律神経は『生体の恒常性(ホメオスタシス)』を維持する事』が大きな役割です。

ポリヴェーガル理論という理論では、交感神経と2つの副交感神経から自律神経はなるとされています。

自分自身が安心・安全な環境であれば体内の環境は程よく調整されます。(①副交感神経の働き

ですが、自分にとって、危険な状態、緊張する環境、高ストレスな環境になると、「闘争・逃走反応」を起こします。文字通り、闘うか?逃げるか?の反応です。(②交感神経の働き)

そして生命の危機を脅かすような環境になると、命を維持することだけに集中します。エネルギー消費は最小限、言ってみれば闘う事も逃げる事もできない程の危険な状態にある時です。(③もう一つの副交感神経の働き)

この3つの環境に置かれた時、内臓を活発に働かせたいのはいつでしょうか?
もしくは内臓の働きよりも筋肉や脳への血流を確保したい時はいつでしょうか?

①の時に内臓は働きが活発になります。
②の時には、筋肉や脳へ血液を供給し、いつでも逃れる環境や戦える状態に準備します。
③の時には命をつなぐための内臓器のみの働きにより、エネルギー補給を行います。

↓①と②の関係性はこのような感じです。

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全ての始まりは”自律神経”

このようのいうと元も子もないように感じてしまうかもしれませんが、これらの働きが正しくなければ消化、吸収、排泄など内臓の働きに何かしらの問題が起きる事は事実であり、想像ができると思います。

自律神経のためにできる生活のコツ

自律神経にとって大切な事は基本でありながら「寝て、食べて、動く」事です。
なかなか現代では、睡眠時間の確保や夜でも明るい生活環境、偏った食生活、‥ながら食事、過労、ストレス、運動不足、デスクワークなど、これでもかという暗い反対の生活なのかもしれません。

自律神経に欠かせないホルモンといえばセロトニンが有名かと思います。
セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれますが、これは感情などに関与する事、自律神経との働きが深いためにその名がついています。

詳しくはこちらをご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
自律神経はこのように体にとって重要な役割を担っています。

自律神経の働きを手助けする生活習慣を身につける事で、体に関する不調が改善する事も少なくありません。
特に原因のわからない”不定愁訴”に関しては自律神経との関わりが不可欠です。

体を整える習慣として、定期的に鍼灸や、それに効果のある療法を受けるのもオススメです!

自律神経についてはまたブログにしますが、情動とも関係があるのが自律神経です。
自律神経の働きと内臓について、ぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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