皆さんこんにちは。鍼灸師長田(オサダ)です。
今回は『体の仕組みから考える〜生理とメンタルの関係〜』というタイトルでお話しさせていただきます。
こちらはデリケートな問題であると思いますし男性である私が記事を書くのはもしかすると不快に思う方もいるかもしれませんので、note有料記事としていましたが、note公開からある一定期間経った事、質問が増えてきたため一般ブログ公開させていただきました。(購入していただいた方ありがとうございました。並びにご了承ください)
女性特有の生理(月経)の仕組み
あくまで体の基本に基づく事で展開させていただきます。
月経周期とホルモン、そしてそのホルモンの持つ作用から対策を考えるうえで、1人でも多くの方のお悩みの一助に慣れれば幸いです。
※あくまで一般的なお話しですので、不妊や月経困難症というような特定のお悩みに対しての説明ではありません。
まずは生理(月経)の仕組みについてです。
※月経と生理は同じ意味を指しています。
月経は主にホルモンによって管理されていますが、主に関係の深いホルモンは二つです。
・卵胞ホルモン(エストロゲン)
・黄体ホルモン(プロゲステロン)
これらが卵巣、子宮との関係が深く月経周期の中で分泌される事で月経が行われます。
元々を辿れば、突然子宮や卵巣からホルモンが分泌されるわけではなく、脳での指令によってホルモンの分泌が促されます。
各ホルモンの働き
・エストロゲンの働き
・プロゲステロンの働き
ここでは主にこの二つのホルモンについて、月経に直接関与する問題と、それ以外の働きもまとめていきます。
エストロゲンの働き
・着床の準備(子宮内膜を厚くさせる)
・心臓や血管、髪、肌、骨などを若々しく(女性らしく)保つ
・セロトニンの低下を防ぐ(精神安定に役立つ) など
プロゲステロンの働き
・妊娠にかかわる
・栄養や水分が体外に出ないようにする
・蠕動運動を低下させる(栄養を溜め込もうとするため)
・体温の上昇(基礎代謝促進による)
・不安感の強弱に関与する など
と言ったように、ホルモンですので直接月経に関与す流ものとそうではないように感じるものがありますが、追求していけば全て関係のあるもののように感じます。
例)蠕動運動の低下→栄養吸収するために腸内の滞在時間を長くするなど
メンタルと女性ホルモン
エストロゲンとメンタルの関係
こちらは先程紹介したセロトニンとの関係からメンタルとの関係が考えられます。
セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンとの監視役のような働きを持っており、セロトニンが正常に働いていれば精神状態の安定に役立ちます。
反対にセロトニンの不足は多くの精神疾患との関係が深い事がわかっており、お薬でもこれらに働きかけをするものがあります。
プロゲステロンとメンタルの関係
プロゲステロンから合成されるアロプレグナノロンは、GABAの作用を高めることで、不安を抑える効果があるとされています。
反対にプロゲステロンの分泌が少ない事はアロプレグナノロンの合成が少なくなるため、イライラ感や不安感などが症状として出現すると考えられています。
月経周期とホルモンの分泌
先程も言ったように月経にはホルモンの関与が深く、周期によって各ホルモンの分泌が促進、低下しています。
周期によってホルモン分泌が変わるため先程のホルモンの”働き”との関係が考えられます。
それによって生理前に不調が現れるのか?生理後に不調が現れるのか?で特徴が見えてきます。
主に排卵前はエストロゲン、排卵後にはプロゲステロンの分泌が高まりますが、反対にそれだけホルモンの分泌が月経周期に伴って変化しているというところが今回のポイントです。
先程の各ホルモンの働きに精神的な部分への関与があったのを思い出してみてください。
エストロゲンはセロトニンに関与し精神の安定に役立ち、プロゲステロンはGABAを介して不安を抑える効果があるとされています。
どちらも分泌される時期はおおよそ決まっているため、月経前、月経中、月経後に精神的な関与も考えられます。
月経と自律神経の話
月経は脳の『視床下部』が最高中枢として働いています。
視床下部と言えば働きはさまざまですが、僕がよくお話しする自律神経との関係が考えられます。
視床下部は月経のみを管理しているわけではなく自律神経の中枢としても働いています。
ストレスによって月経周期にも乱れが来るのもこの辺りの関与が考えられます。
日常的な交感神経優位(=常に闘うか逃げるか)の反応が続くと、多くの内臓機能は低下しますので、栄養が十分に確保できない、血流量の低下、血糖値の問題などに発展する可能性がある他、月経周期にも乱れが出てくる可能性があります。
月経における体の反応
月経の仕組みについては先程お話ししたような過程を経て、月経が行われるわけですが他にも様々な反応が起きてきます。
一例ですが、これらは全て妊娠に備えた働きです。
黄体期には、妊娠に備えて栄養を蓄えようとする傾向にあり、食欲を増加、腸内の滞在時間を確保し栄養の吸収、血糖値を胎児に送る、妊娠に備えたプロゲステロンは眠気を引き起こす作用を持っています。
反対に基礎体温が高くなるため、速やかな入眠に必要な温度差がなくなるがために夜になっても眠気が来ないという症状もみられます。
日常のケアで大事な事
今回は主に3つのことを軸にお話ししたいきたいと思います。
・食習慣で女性ホルモンとの付き合う
・自律神経から考える月経との付き合い方
・生活習慣で女性ホルモンと付き合う
食習慣で女性ホルモンと付き合う
食習慣で女性ホルモンと付き合うとしてもアプローチの方法は様々です。
「食べ方」「食べる物」「食べるタイミング」など。
食べる内容に関しては後で説明する自律神経と女性ホルモンでも説明しますので、まずはタイミングや食べ方などを中心に考えていきましょう。
例えばPMS(月経前症候群)などを緩和する、悪化しないようにするためにも食事というのは選択の一つとして注目されています。
周期に合わせて考えてみると少しイメージがつきやすいかもしれません。
月経前には「食欲が増す」という方も少なくないはずです。月経前には体の仕組みから食欲が増しやすいのも事実ですが、そこでは食べる内容が重要になってきます。
この時に体に身を任せて自由気ままに食べていたら‥
例えば、血糖値が急激に上がるような食事ばかりをとっていたら、血糖値の乱高下が起きます。
月経を管理しているのは視床下部であり、視床下部は自律神経の管理しています。
となれば自律神経系の症状が出やすくなる事が想像つくかと思います。
ですので月経前に食欲が増した時にこそ内容を見直す事をオススメします。
血糖値の急上昇を防ぐ食事を!
まずはケーキやお菓子、チョコレートなど単糖類(ブドウ糖)を多く含む食事の選択を見直しましょう!
あとは糖質を摂取する量の見直しです。
三大栄養素として知られる糖質ですが、必須栄養素ではない事はこれまでにも色々なところで説明していますのでご覧ください。
すごく簡単に言えば摂取する糖質の量に対して、消費する運動量や筋肉量を持ち合わせていない事が多く見受けられます。
糖質といっても、想像するようなお米やパンのみに含まれいているわけではありませんので今一度糖質の摂取量が自分に合っているかを考えてみましょう!
一回の食事の目安は自分の握り拳一個分ぐらいです。
これぐらいであれば血糖値の急上昇は防げると思います。
あとは基本的な良質な食物繊維の摂取なども忘れずに行うことをお勧めします。
代表的なのは緑の濃い葉野菜ですね!
緑の濃い葉野菜にはクロロフィルという成分もあり、イライラに関与するマグネシウムやカルシウムも摂取できます。
おすすめの食べ方はこちらをご覧ください。(→過去のインスタグラムの投稿)
あとは早食いしないなどもすごく重要なことですね!
腸内環境を整える食習慣を!
腸脳相関の話はご存知でしょうか?
簡単にいうと、腸と脳は繋がっていて脳の情報は腸へ、腸の情報は脳へ伝わると言った関係です。
中でも今回話したいのはセロトニンについてです。
セロトニンを生成するのは主に『腸』です。
これが何を意味しているかと言いますと‥
腸内環境が整っていないとセロトニンの生成が行えません!
セロトニンは自律神経の働きに関与し、精神の安定、生体のリズム、睡眠などと深く関係しています。
大袈裟かもしれませんが腸内環境を整える事は精神を含め、自律神経の適正化に役立つため、体を整えているとっても過言ではありません。
ですので腸内環境を整えましょう!
腸内環境におすすめな事
①適切な水分補給
②腸内細菌(善玉菌)のエサを摂取
③腸内環境を崩す物の摂取を控える
①適切な水分補給
水を飲んだ方がいいという事がなんとなく健康に役立つ事はご存知かと思いますが、一般的に言われている1日2ℓの健康法に化学的な根拠はありません。
反対に1日2ℓ以上飲んではいけないという決まりもありません。
理想は、『ミネラルを含む水分をこまめに摂取する事』
天日干しの海塩はミネラル豊富で水にひとつまみ入れて飲むことをオススメします。
②腸内細菌(善玉菌)のエサになる食材の摂取
腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌と大きく分けて3種類の腸内細菌が存在していますが、より腸内で良い働きをしてくれる善玉菌のエサになるのが『プレバイオティクス食材』
・玉ねぎ
・緑の濃い葉野菜
・グラスフェッドバター
・こんにゃく
などがオススメです。
③腸内環境を崩す物の摂取を控える
これは言うまでもないかもしれませんが
・加工肉
・マーガリン
・トランス脂肪酸
・質の悪い乳製品
・小麦
などは気を付ける必要があります。
空腹によってジャンクなものが食べたくなっているのではなく、低血糖を回避するための異様な食欲が起きているのだとしたら、考えるべきはその前の食事や、日頃の習慣なのかもしれません。
さらに質の良い油なども摂取する事がオススメです。
不安感が強くなる場合はカフェインの摂取なども控えると少しその症状が落ち着くかもしれません。
自律神経から考える月経との付き合い方
ここまでの話で自律神経と月経に関与がある事はわかったかと思いますが、結果として、自律神経と女性ホルモンの関係が悪循環に陥いるため、月経前・中・後の不快な症状が悪化しやすくなることがあります。
自律神経を適正化し、月経と上手に付き合える方法を考えていきたいと思います。
タンパク質とビタミンB6
これは主に食事の話にはなってしまいますが、セロトニンを合成するのにはこれらの栄養素が必要です。
タンパク質の中でも必須栄養素である”トリプトファン”の摂取が重要です。
栄養素だけを考えれば、植物性タンパク質よりも圧倒的に動物性タンパク質をお勧めします。
(お肉や卵など)
タンパク質は消化コストもかかるので特に気をつけなければいけないのは一回における摂取量です。
タンパク質を無駄に摂取する事なく効率よくかつ体に負担をかけないためにも一回の食事でのタンパク質量の摂取は約25gにしましょう!
お肉であれば種類によっても異なりますがおおよそ100gくらいで十分な摂取量になります。
自分の筋肉などに合わせて数回に分けて摂取する事がオススメです!
ビタミンB6はレバーや鶏肉にも含まれているのでオススメです。
呼吸を整える
呼吸は自律神経の関与を受けながら、回数や吸うか吐くかが調整されています。
息を吸えば、交感神経が優位に、息をしっかり捌ければ副交感神経が優位になります。
交感神経は闘争逃走反応と言われるような体は高代謝の反応です。
エネルギーを多く使うために必要な物を多く取り込もうとします。
呼吸を整えると一言いってもアプローチできるところはたくさんあります。
・背中の筋肉の緊張
・姿勢の悪さ
・体幹機能の低下
などでも呼吸を邪魔する要因になります。
ヨガや、ストレッチなどで体を緩めながら呼吸を適正化する事が重要です。
難しい人はまずは息を吐く意識を持ってみてもいいと思います。
↓こちらは体幹機能のトレーニングですが簡単にできるので一緒にやってみてください。
目を休める
人間の情報の多くは視覚から得ています。
現代では、スクリーンタイムや光を夜でも浴びており、目を過剰に使っている可能性があります。
目は自律神経とも関係が深いため、目を休める時間を作りましょう。
もしくはケアとして温めたり、目の周りも優しくほぐす事もオススメです。
生活習慣と女性ホルモンを考える
冷めたい物の摂取に気をつける
内臓にも当然ながら血液が必要です。
冷えは血流量を低下させるので冷たいものの過剰摂取には気をつけなくてはいけません。
また外敵に冷えることにも注意が必要ですので、丹田(お腹の下部)や、手首、足首を冷やさないように管理する事も大切です。
日光を浴びる時間を作る
ビタミンDは免疫にも関与するため、日光を浴びる時間を作りましょう!
免疫を上げる事はストレスの耐性にも関与しています。
朝一に日光を浴びることで体内時計のリセットにも役立ちますので、朝一、そしてビタミンDのために日中に日光を浴びることを忘れずに行いましょう!
睡眠環境の見直し
睡眠は人間にとって重要なものです。
スマホなどももちろんですが、温度管理、光の調節、寝る前の習慣も含めて睡眠環境を見直してみましょう。
お風呂を寝る90分くらい前に済ませておくのもスムーズな入眠に効果がありますので、お風呂の入る時間も気をつけてみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
月経とメンタルについて基礎的なところから、生活のコツまでをお話ししてきました。
文中にもお話ししているように特定の疾患ではなく、月経の特徴と自律神経から展開したお話しです。
メンタルの不調は理解されにくい事も自分のパニック障害の症状が酷かった時に痛感しました。
女性に多いとされる自律神経疾患の対しても少しでもお力になれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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