皆さんこんにちは!
鍼灸師オサダです。
今回は「身体の疲労」について考えてみたいと思います。
突然ですが、“身体のエネルギーがどこから作られるか”を考えたことはありますか?
スマホのようにコンセントに繋げば充電できるわけでもなく、電池を入れ替えれば良いというわけではありません。
そうです!
人間のエネルギーというのは”細胞”で生成されていて人間の動きや働きを助けてくれています。
その生成工場が”ミトコンドリア”という独自のDNAを持つ器官です。
ミトコンドリアは私たちの細胞内に存在していながらも独自のDNAを持つため、私達の細胞に住む「住居人」とも考えられます!
私達はエネルギー無くして生きることは不可能ですが、それを助けてくれる「住居人」(ミトコンドリア)の重要性について、早速みていきましょう!
体力がある人と特徴
ここで1つ考えてみて欲しいことがあります。
「あの人は本当に体力があるよな〜」と思う人を何人か思い浮かべてみてください。
こんな人を思い浮かべてみるとなんとなくイメージは似てくるのではないかと思います。
ではこういった方々とは対照的に「いつも疲れて元気が出ない‥」とお悩みの方は何が違うのでしょうか?
そこにある一つの原因として「体内のエネルギー切れ」というのが考えられます。
ここで多くの人は「エネルギー切れが問題」と捉えてしまうかもしれませんが個人的にはそれが問題なのではなくて、「エネルギー切れを起こす”何か”が問題」だと考えます。
例えば、「寝ても寝ても疲れが取れない‥」という不調があったとしましょう。
この場合考えられる可能性として
・そもそも寝る事がうまくいかない(睡眠の質が悪いなど)
・寝ても日中のエネルギー消費が大きく回復が追いつかない(睡眠時間の減少なども)
・寝ているのに回復できる状態にない
と言ったような問題が考えられます。
ではこの場合にはどうしていく事を考えないといけないか?
例えば上記のような問題には
・寝れる身体の環境を作る
過度なストレスによって身体が休息を取れない場合もあるでしょう。
夜中まで働く(ディスプレイなどを見過ぎなど)事によって身体が覚醒してしまっている人もいるでしょう。
・寝て回復しても日中のエネルギー消費が大きい
自分の体力に見合わない活動量によって回復できずに疲れた感覚が抜けないという人もいるでしょうし、身体の活動モードの時間(交感神経によるエネルギー消費モード)が長く活動以上に疲れてしまうこともあるでしょう。
・寝ているのに回復できない
睡眠時間が短い、睡眠の質が悪い、身体の休息モードが適切に働いていないなどもあるでしょう。
このように紐解いていく必要があり、単に「疲れ」を考えても様々な可能性を考えていきます。
これを展開していけば「人間関係」とか「職場の環境」とか「住んでいる環境」などにも関係していきます。
エネルギーが切れたような状態を抜け出して、体力をつけたい。疲労が残りにくい身体を作りたい。となった時はどうしたら良いか?
体内のエネルギーを生み出せる環境を作る!つまりミトコンドリを活性化しよう!となるわけです。
ミトコンドリアの役割とは?
「ミトコンドリアはエネルギー生成に関わる」とは言いましたが、もう少し細かくみていきましょう。
そもそもエネルギー、エネルギーって言っていますがエネルギーとはなんでしょうか?
エネルギーとは?
エネルギーとは人で言えば「物を動かしたり、熱や光、音などを出したりすること=仕事をする能力」(ここでいう仕事はお金を稼ぐと言ったような仕事ではなく、動く原動力のイメージ)です。
私たちが買い物をするときに、お金を払って商品を買うように私たちが動くためには、ある物を使ってエネルギーが生まれます。
そのエネルギーというのがATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー通貨になります。
このエネルギー通貨(ATP)を支払ってエネルギーを獲得するのですが、
このATPを作る工場がミトコンドリアになります。
ATPを作る仕組み
すごく簡単に言えば人は
有機物(炭水化物や脂質、タンパク質など)を分解する段階でエネルギー(ATP)が生成されます。
この有機物を分解する過程で酸素が必要になり、その工程で二酸化炭素が発生します。
ですので食事による栄養の摂取も重要ですし、呼吸によって酸素を取り込む事も重要なわけです。
(ちゃんと生成された二酸化炭素を吐き出す事も重要)
その他ミトコンドリアの特徴
肝臓、腎臓、筋肉、脳などの代謝の活発な細胞には特に多くのミトコンドリアが存在し、身体全身では体重の約1割を占めていると言われている。
姿勢保持などに役立つインナーマッスルなどにも多く存在していると言われている。
エネルギー切れが起きてしまう原因
毎朝満員電車に揺られる人の顔は9割の人が元気がなくエネルギー切れが起きているようにも感じます。
(きっと原因はそれだけではないですが)
エネルギー切れは先ほど言ったように
「回復できづらい」(寝れる環境にない)
「エネルギー消費が大きい」(過度な緊張や体力以上の負荷)
などによって起きてしまう可能性があります。
以前「疲労について」のブログでこんな画像をあげたのを覚えていますでしょうか?
この画像を深掘りして、細胞レベルでこの状態を考えていきたいと思います。
どちらにも共通して考えられる一つの事は
”エネルギーが足りていない”
という事です。
例えば、慢性的な炎症がある場合には、炎症に伴い「消火活動」(炎症を抑えるため)にエネルギーを使います。
通常の状態に比べ炎症の際にはエネルギーをより使う状態にあるため、エネルギーが足りない状態を引き起こします。
さらに言えばこの慢性炎症状態はミトコンドリアを損傷させる危険性も持っているため、エネルギーをを生成する能力すら落としてしまう可能性があります。
当然生成能力を失えば、エネルギーは枯渇します。
回復しないケースとしてあげている食事や腸内環境についても同じで、バランスの良い食事や消化吸収がうまく働けば、エネルギーを生成するミトコンドリアを手助けしてあげる事でより効率的にエネルギーを生成します。
ですが、食べ過ぎや消化不良、質の悪い油(酸化した油など)は体内での炎症を助長してしまったり、そもそもエネルギー生成が上手くいかない事につながります。
このようにエネルギーを作り出す力とエネルギーを消費してしまう関係性が崩れるとエネルギー切れを起こしてしまいます。
ミトコンドリアを活性化させるためには?
では実際にここではそのエネルギーを生み出すミトコンドリアを活性化させるためには?についてお話ししていきたいと思います。
体内をクリーンに保つ
まずはここが最初のステップです。
具体的な方法としては、水分補給と食材によるデトックスを紹介したいと思います。
水分補給について
まず水分補給に関してですが、皆さんは1日の内にどのくらい、どれくらいの頻度で水分補給を行いますか?
人間の身体の約60%が水分でできているというのは今や多くの人が知っていることかと思います。
ここでおすすめしたいのは細胞のための水分補給です。
ここ数年の猛暑でにより熱中症対策としても”ミネラル”を含む水分を補給しましょう!と言われるようになりましたね。
これはただの水分よりも、ミネラルを含む水分が必要ということを意味しています。
そもそも細胞達が正常に働くにはミネラルが必要です。
また細胞内・外を行き来するのにも補酵素としてミネラルが使われると言われており、日常的な水分補給にも欠かせません。
これは日常的にもミネラルを含む水分の重要性とも考えられます。
例えば熱中症の一つとして「筋肉が攣る」事が挙げられますが、これは汗と同時にナトリウムだけではなくマグネシウムも排出され、ミネラルバランスが崩れた事による1つの不調として言われます。
そもそも60%の水分のうち、40%が細胞内に存在すると言われていますので、ミネラルを含む水分をしっかり補給し細胞内をクリーンに保ちましょう!
食材によるデットクス
これは主に緑の濃い葉野菜によるデットクス作用です。
具体的には緑の濃い葉野菜(ベビーリーフ、サニーレタス、レタスなど)の摂取をおすすめします。
これらの野菜の緑の成分にはクロロフィルという成分が含まれており、このクロロフィルにはデットクス効果が含まれます。
他には殺菌効果、抗酸化作用、細胞の活性化、造血作用なども期待できます。
日本人は生の野菜を食べる習慣が少なく、加熱された野菜が多くなってしまいがちですがこれらの効果は生の野菜に期待できる効果として知られます。
生の野菜をしっかり食べて身体のデットクスを促し、細胞を綺麗に保ちましょう!
またサラダのおすすめの食べ方は、天日干しの海塩(ミネラル)とパプリカパウダー(抗酸化作用、ビタミンC)をパラパラとかけ、オリーブオイルを気持ち多めにかける食べ方。
オリーブオイルとこれらを一緒に食べることでミネラルの吸収率が上がります。
オリーブオイルは遮光の瓶(プラスチックではなく)に入っているエキストラバージンオリーブオイルがおすすめです。
体内で炎症を生まないようにする
先ほどもお話ししたように体内での炎症はエネルギー消費が大きくなるだけでなく、エネルギー生成能力にも影響が出る可能性があります。
体内をクリーンに保てたら次にこれを意識してみましょう!
睡眠をしっかりとる
みなさんは1日何時間寝ますか?また睡眠時間に対していつも疲れたような感覚や寝足りない感覚などはありませんでしょうか?
毎晩6時間以下の睡眠では、炎症や免疫、ストレス反応に関連する物質が上昇すると言われています。
また長い時間でているのに回復できていないというのも、言い換えれば体が回復できていない=エネルギーを補充できていない可能性も考えられます。
時間の確保に合わせて睡眠の質も考えた上でしっかりと睡眠をとりましょう。
鼻呼吸を身につける
次に呼吸に関してです。
皆さんは息を吸う時、口と鼻どちらで息を吸い、どちらで息を吐きますか?
そもそも分類としては鼻は呼吸ですが、口は消化器の一部です。
鼻呼吸には沢山のメリットがありますが、反対に口呼吸にはデメリットがたくさんあります。
その一つが慢性的な炎症を生む可能性があることです。
鼻呼吸を身につけて炎症が起きないようにしましょう!
詳しく知りたい方はこちらのブログをお読みくださいね!
酸化している油に気をつける
次に食事についてです。
脂質(油)=悪者という認識が未だに多く見受けられますが実は注意すべきは酸化した油などが健康被害がある油として存在しています。
酸化した油は、腸内環境を乱し、体内の慢性的な炎症を起こす可能性があります。
普段から揚げ物中心の食事や使用している油にも注意しましょう!
油の酸化は、熱、空気、光によって酸化します。
保存方法、製造方法、油の質によっては皆さんが口にする段階で酸化している可能性が高いものも多く存在します。
糖の摂りすぎに注意する
こちらは多くの方が注意していたり、健康には良くないとはわかっているお菓子などに含まれる精製糖(砂糖)をはじめとするお米などもそうです。
過剰に摂取した糖は体内で炎症を生むということが報告されています。
脳のエネルギーになる糖ですがよっぽどのことがない限りが体内で糖が枯渇することは考えにくいです。
(相当ハードな運動量や体を無視したダイエット方法など)
糖は多くの食材に含まれています。
摂りすぎには注意しましょう!
エネルギー生成能力を高める
エネルギー生成能力を高めることを忘れてはいけません。
極端な話生成する能力が低ければ、低空飛行状態ですから生成する力も身につけましょう。
座りっぱなしに気をつける
座りっぱなしは、健康にとっては良い事とはいえません。
これは細胞レベルでも同じであり、座りっぱなしの姿勢というのは細胞(ミトコンドリア)に対して
「エネルギー生成しなくていいよ〜」
と宣言しているような状態です。
当然このような状態が続くと細胞達のエネルギー生成能力というのは低下していきます。
運動不足というのは社会問題とも考えられますが、その前に長時間の同じ姿勢、座りっぱなしの状態がある人は意識していきましょう。
運動習慣を身につける
先ほどの座りっぱなしに気をつけると似ていますが、筋肉を使う、筋力をつけるという事がここでのポイントです。
まずミトコンドリアは筋肉内にも多く存在しています。
筋肉は大きく分けて、白筋と赤筋に分けられますが赤筋に存在していると言われています。
イメージとしては赤筋は筋トレで鍛えるような筋肉ではなく、姿勢を維持するようなコアの筋肉に存在しています。
とはいえ、コア(赤筋)の筋肉だけを鍛えるのではなく運動習慣により筋肉全体の量を増やしていきましょう。
その中でコア(赤筋)も鍛えていく。
またコアの筋肉がしっかり使えるようにする事と過緊張を起こさないようにするのも非常に重要です。
となると次に気をつけたいことは‥?
正しい呼吸を身につける
呼吸は生命の源であり、呼吸が正しく行えることは健康に大きく役立ちます。
皆さん呼吸は正しくできていますか?
人は1分間のうち何回呼吸をしているでしょうか?
炎症を起こさないように!と鼻呼吸を紹介しましたが、そもそも呼吸の回数や呼吸の深さはどうでしょうか?
呼吸が浅い場合には体内の酸素が十分に巡りにくい状態になってしまいます。
細胞にも酸素が必要なので、正しい呼吸を身につけましょう。
正しい呼吸と言っても難しいですよね。
まずは呼吸には欠かせない”横隔膜”が正しく動くようにこちらの動画を参考にしてみてください!
https://www.instagram.com/reel/C76cvxRvY9X/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
(↑オサダのInstagramです)
他にも腸内環境を整える、睡眠をとる時間、姿勢、朝の過ごし方など生活習慣を合わせて考える事で疲れにくい体を作っていく事ができます!
自分にあった方法や自分でできそうなことからやってみてくださいね!
疲労に負けず元気な毎日を!
疲労の原因をエネルギー切れが起きていると仮定して、今回はミトコンドリアについてお話ししてみました!
毎日疲れが抜けない
寝ても回復しない
そんなお悩みの方のお力になれていれば幸いです!
身体を整える(鍼灸や整体、ヨガ、瞑想など)ももちろんあなたの生活を手助けする一つの方法になると思います。
お近くの信頼できそうな先生に相談してみても良いかもしれませんね!
何か気になることや、質問等がありましたらInstagramなどのDMもお待ちしております!
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