皆さんこんにちは!鍼灸師長田(オサダ)です。
皆さんはストレス耐性という言葉を聞いた事がありますか?
ストレス耐性とは?
ストレスに対する抵抗力のことで通常6つの要素が関与していると言われています。
「容量(キャパシティ)」「処理」「感知」「経験」「回避」「転換」の6つがストレス耐性に関与していると言われています。
生活環境、家庭環境、会社での環境など様々な物が影響する生活の中で、同じ環境をストレスに感じる人もいればそうでないと感じる人もいますよね。
そもそもの生きてきた環境や経験が関与しますので感じ方も人それぞれ。
全てのストレッサー(ストレスとなる要因)を排除はできませんから、うまく付き合って生きていきたいですよね!
今回はストレス耐性に関して、一般的に言われる物からどうやって付き合っていくかまでを考えていきたいと思います。
ストレス耐性の6つの要素
まずは先程お話しした6つの要素について説明します。
僕はこのストレス耐性について「ゴミ箱」みたいなものだと考えています。
一緒に見ていきましょう!
ストレスに対する容量(キャパシティ)
よくキャパを超えたとか言ったりしますよね。
言葉の通りですが、これはストレスに対しての容量を指しています。
ゴミ箱で言えば『ゴミ箱の大きさ』
小さいゴミ箱ですとすぐにゴミがいっぱいになって溢れてしまいます。
中々難しいのは、このゴミ箱の大きさは様々な要因が関わっていますから無理に大きくしようとするとそれ自体がストレスになってしまったりします。
自分のお部屋のゴミ箱を買う時も、「予算」「配色」「用途」などによってゴミ箱を選びますよね!
それと同じようにストレスのゴミ箱を無理に大きくする事はなかなか簡単な事ではありません。
ゴミ箱の容量を大きくするには様々な関与があります。
ストレスを処理する力
言葉の通りストレスを処理する力のことです。
ゴミ箱で言うと『溜まったゴミ箱を空にする』
ゴミ箱がいっぱいになってきたら、ゴミを空にしたり場合によっては押しつぶしたりしてゴミ箱にまたゴミが入るようにしますよね。
そのまま放置していると気がつくとゴミ箱が溢れかえってしまいます。
ストレスの処理する行為は、大・小に関わらず日頃皆さんも気がつかぬ内に行っています。
日頃小さなストレスがかかった時には臨機応変に対応していますが、この対応も処理の一つとして考えられます。
ストレスを感知する力
現代でいう繊細さんなどが当てはまると思います。
(ちなみに私は繊細さんなどと括るような言葉はあまり好きではありません)
例えば会社内で何か意地悪なことをいつもいう上司がいたとしましょう。
Aさんにとってはストレスに感じてもBさんにはストレスに感じない事などがありますよね。
これがストレスを感知する力です。
それぞれが持つセンサーですので中々「これはストレスを感じるな!」といっても難しいとは思います。
あえていうなら、この感知する能力が低い=ストレス耐性が強いみたいに聞こえますが、生物的に考えるとストレスに対して敏感であることは、ある意味自分にとって危険なことを察知する事ができるとも考えられます。
とは言え過敏に反応しすぎる事は避けたいですよね。
これはゴミ箱で言えば、『落ちているゴミ、もしくはゴミ箱の容量がいっぱいな事に”気がつくか気がつかないか”』に近いですね。
経験によるストレス耐性
これは精神科領域でいう”認知行動療法”に似ていると思いますが、ストレスがかかった時に対処できた経験によって同じストレスをストレスとして感じにくくなります。
ようはその対処できた!という経験による耐性なので、『ゴミの捨て方や分類』に近いかと思います。
ゴミも捨て方や分別の仕方が分かれば、もうその廃棄に関して困ることはほとんどありません。
ですが「これって燃えるゴミ?燃えないゴミ?」となると放って置いて気がついたらそのゴミが溜まってしまったり‥。
ですが一度調べたり聞いたりしてその捨て方が分かれば対処できるようになる!そんなイメージですね!
ストレスを回避する力
これは例えばストレスとなる対象を受け流したり、仕事は仕事と割り切れたりする力と言われています。
実際にはあるストレスに対して、自分の負荷にならないようにする事を指しています。
一つのゴミ箱がいっぱいでも『新たなゴミ箱を用意したり、後でまとめて捨てるための一時的にゴミを集めたり』そんな所でしょうか。
ゴミがある事実は変わりませんが、うまく処理したりまとめたりできればその対象であるゴミ箱いっぱいになる事は避ける事ができます。
ストレスを転換する力
これはストレスをネガティブに捉えるのではなくポジティブに転換できる力です。
ゴミで考えると『再利用』といった所でしょうか!
一旦は捨ててしまった物の中にももしかしたらあなたの役に立つ事はあるかもしれません。
ピンチはチャンスなんて言葉がありますが、物事は考え方次第では良くも悪くも捉える事ができる事がほとんどで、自分の調子が悪い時は全ての事が悪い事のように感じてしまったり、自分の調子が良い時はポジティブに捉える事ができたりします。
ストレス耐性を強化する考え方
と、ここまでは6つのストレス耐性についてのお話をしましたが、個人的な意見としてはまぁそんな事はわかってるよ‥。というのが正直な感想です。
容量は大きいほうが良いだろうし、処理する力だって強い方が良いでしょう。
ストレスに鈍感になればきっとどんなに生きやすいだろうか。
毎回うまく乗り越えていたら自分の成功体験は積まれていくことはわかっているが、そうもうまくいかない。
うまく回避できたり、うまく転換する事ができたらきっとこんなにストレスに悩まされなくて済みますよね。
ですがここまで読んでくださっている方の多くの人が『ストレスに強くなりたい!負けたくない!』と読んでくださっていると思います。
ストレス耐性を強くしていくためにはどうしたら良いかを考えてみましょう!
ストレスのゴミ箱を整理しよう
生きていればストレッサー(ストレスの原因)を全部避ける事は難しいのが現実です。
まずはストレスのゴミ箱を整理してみましょう!
例えば”自分の問題で処理できる問題なのか?相手の問題なのか?お互いで向き合う問題なのか?”などを整理してみましょう。
大体この整理をすると自分が思い悩んでいる事は自分単独の問題でない事に気がつきます。
例えば
会社の〇〇さんがいつも怒っていて嫌だ。
自分のパートナーに思っている事を言えていない。
友人との付き合い方がうまくいかない。など
キャッチボールと同じで、自分の投げるボールと相手の投げるボールがうまく行き交って初めてキャッチボールができます。
相手からボールを一方的に投げられたり、自分がボールを持ったままではキャッチボールはうまくいきません。
整理をしていく中で時には抱えている感情に気がついたり、相手の問題に悩まされている事に気がついたりします。
それは自分でコントロールできる事なのか?自分の持っているボールを相手に渡してみたらどうだろうか?自分ではコントロールできない事かも?
そんな感じで処理していくとゴミ箱に余裕ができます。
ストレス耐性でいう「処理」「回避」「転換」などが当てはまると思います。
これを繰り返していると「経験」にもなると思っています。
必要なストレスなのか?不必要なストレスなのか?を考えてみる
ストレスというとあまり良い言葉には聞こえませんが、自分が成長していくには必要なストレスもあります。
人生経験や社会経験などもその一種ですが、あのストレスを乗り越えたおかげで今の自分がある!なんていう経験はありませんか?
アメリカの健康心理学者のケリー・マクゴニガルさんは「意義を求める方が、ただ不快感を避けようとするより健康には良い」と述べています。
あーもうストレスだー!とキーッとなるよりも人生にとって意義のあるもの。今の自分に必要なもの。と考えるとそのストレスに「意味や価値」などを感じる事ができます。
当然ですがストレスの全てに意義があるとは限らず、自分ではコントトールのしようのない問題や自分にとって不必要なストレスもあると思います。
例えば
・会社の上司が仕事関係なくいつも怒っている
・隣の住人が夜中まで騒いでいる
・天候の問題 など
自分では全くコントロールできないかつ自分にとって必要のないストレスは避けていく事も必要かと思います。
(例えば転職や引っ越しなど)
ストレスに対する適切な反応ができる準備をする
ここで大事になるのが栄養や食習慣を含む生活習慣、運動習慣や日常の緊張度などです。
元々人間はストレスに対応する反応を持っていますが、これらを適切に働かせてくれるのが脳の働きやホルモンや神経(主に自律神経)の働きであり、そのために栄養が必要であり、その処理をする腸内環境だったりします。
ストレスと副腎の関係で体の持っているストレス反応について紹介していますのでお話しているのでそちらもご覧ください。
自律神経から考えるストレスの反応
自律神経は大きく分けて3つの種類があるとされる「ポリヴェーガル理論」が存在します。
私が施術の中でお腹周囲や背中全体の張り、手首、足首の血管を触れるのはこの理論に基づく私の中での評価であり、身体の状態の把握であり、施術の一部です。
3つの動物の持つ種類とは
①安心・安全な環境における身体の反応
②闘争・逃走反応
③凍りつき反応(シャットダウン状態)
があるとされています。
自律神経の働きはシーソーのように例えられる事が多いですが、シーソーほど明確な働きを持つのは一部の切り取りです。
例えば血管は交感神経により収縮、副交感神経による弛緩となりますが、身体全体で見ればもっと複雑に共同しながら働き、時にシーソーのように一方が優勢になったり、時に両方で支え合いながら働きます。
また自律神経には過去の経験から自分の無意識化に防衛本能を働かせ、緊張状態や闘争・逃走反応を起こしたり、時には身体を凍りつかせるような反応を取らせる事すらあります。
動物で例えると
①安心・安全な環境における身体の反応は自分の信頼のおける仲間との食事の時間や仲間と一緒に時間を過ごしている時
②闘争・逃走反応は獲物を狩りにいく時や他の動物との戦いの時
③凍りつき反応は自分の天敵に襲われた時や過度な緊張状態が長期化した時
と言ったようなところです。
自律神経や身体の仕組みから考えるストレス耐性の強化方法
動物はこのような自律神経やホルモンを駆使し、生きるための力を持っています。
大切な事は「生きるための反応」ということですね。
一見不都合に感じる事も生物としては意味のある反応です。
そういう意味ではストレス耐性という言葉にそんなに深い意味を求めなくても良いのかな?というのが個人的な思いです!
私が考える自律神経や身体の仕組みから考えるストレス耐性の強化方法の原則は
必要な時に必要な反応を!
だと思っています。
自律神経が乱れる時、ホルモンのバランスが崩れる時それは何かしらの身体からのサインです。
身体の使い方に偏りがあったり、身体の緊張状態が続いてしまっていたり、睡眠の質が下がってしまっていたり、栄養が偏っていたりなど。
必要な反応をとるためには、身体の準備が必要です!
そのためには活動と休息と食事と‥みたいな話になってきます。
要は、よく動いて、バランスよく食べて、よく休んでみたいな基本的な事に立ち返るわけです。
ところが自律神経などの不調を抱えている方の中にはこのよく食べて、よく寝て、よく休んのサイクルがうまく回っていない、言い換えれば上手く行えなくなってしまっています。
だから脳やホルモンとの関わりが深い腸内環境を整えたり、身体の動かしたりと身体のサインを受け取り、自分でできるケアが大切も大切になってきます。
このブログで、身体の仕組み、自律神経、栄養に関連するブログを投稿しているのもその一助になれればと思っています。
僕が施術を通してできる事、患者さんがセルフケアでできる事。そんな事が合わさってより豊かになって欲しいと思っています。
最後までありがとうございました!
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