東洋医学で考える”体質別”生理の不調とセルフケア

東洋医学で考える生理の不調とセルフケア 東洋医学

皆さんこんにちは!
鍼灸師長田(オサダ)です!

今回は東洋医学で考える生理痛の原因と対処法についてお話したいと思います。
今やクリニックや製薬会社などが公表する生理痛の緩和方法にも「温める」「休息する」「食べ物を見直す」などと言ったような対策が挙げられますが東洋医学は昔からそう言った点に着目していました!

その理由などを深掘りしていきますので東洋医学とはいえ、現代にも通じますので、日頃のケアとしての参考にしてください。

7割〜8割の人が生理に関連する不調を感じている

2018年に国が「男女の健康意識に関する調査報告書」において20代、30代の各500人を対象に、月経(生理)に関わる不調を調査したところ
痛みに関しては→20代の約6割、30代の約5割
体調不良や精神不安定は→20代の約5割、30代の約4割

と言ったように生理に関連する不調(痛み、体調不良の他に貧血、生理不順、PMSなど)を抱えている方が約7〜8割という調査結果となりました。

反対に生理に関連する不調はないと答えた人は20代で約2割(18.6%)、30代で約3割(25,6%)という結果でした。

僕自身は実際に体感する事は出来ませんが、鍼灸師として診させていただく上で、不調を生む身体の状態である事を把握し、生理に付随する症状も身体からのサインであると言う風に感じています。

そして生理にまつわる不調を抱える方の多くはその他にも”慢性的な症状”を併発している事が多いのが現実です。
例を挙げれば‥
・冷えやすい
・消化不良を起こしやすい
・肩こりに悩まされている
・眠りが浅い

など。

西洋医学的視点で考えると、生理痛の場合には痛みを抑える事が優先かもしれません。
時にそれは生活する上で、選択肢の一つとして考えるべき手段の一つだとは思いますが、今一度東洋医学的視点から生理痛をはじめとする症状、それにまつわる不調をもう一度考えてみたいと思います。

生理に関連する症状の原因と4つの体質

東洋医学では身体の状態を、体質、生活背景、生活習慣などを含めて考えます。
あえて東洋医学ではと言っていますが、東洋医学の視点としてのお話しであり、現代においては東洋医学の限りではありません。
(例→病院でもこう言った視点で処方を変えたり指導をする所もある)

東洋医学 体質

東洋医学で考える生理に関する不調は同じ症状があったとしても原因(体質など)は異なると言う風に考えます。
例えば→生理痛と聞くと”痛み”として一括りになりがちですが、東洋医学の場合には生理前に痛むのか、生理数日後には痛みが楽になるのか、周期はどうなのか?などを加味して考えます。

その中で生理に関連する不調には、大きく分けて4つの体質が深く関係していると感じます。
解説しながら一緒に見ていきましょう!

生理に関連する体質①瘀血(おけつ)

血液の流れが停滞しやすい体質を指しています。
生理に関連する多くの方はこの状態にある事が多く見受けられます。
現代でも「生理の時にはお腹を冷やさないようにしよう」とする傾向がありますよね!

瘀血 説明

瘀血体質の人は血液の流れが停滞する事が特徴なので、
・手足の冷えが目立つ(冷えでの症状悪化)
・唇や瞼の色が紫っぽい
・長時間の同姿勢での悪化

などが見られやすい所見です。

要するに血液が滞ってしまっている事が1番の問題です。
なかなか生理中に血液循環を高めよう!と思っても難しいのが現実かと思います。
(と言うのは症状がある場合が7割〜8割ですので)
もちろん身体を冷やさないように対策をするのは生理中でも意識して欲しい事の1つです。

生理に関連する体質②気虚

身体のエネルギーが不足した状態を指しています。

気虚 説明

体力の消耗によって症状の悪化が見られやすい他
・消化不良を起こしやすい
・下痢になりやすい
・疲れやすい
・舌の周りに歯形がついている

などが見られやすい所見です。

身体のエネルギー不足が問題ですので原因を探っていけば多くの事が考えられます。
例えば
・睡眠不足
・消化能力の低下
・食事の偏り
・交感神経の緊張が長期化している
など。

こちらも瘀血と同じで生理の最中に対策を練るというよりも日頃の習慣が鍵を握っています。
症状が辛い時には思い切って睡眠時間を確保するなどは意識して、気(エネルギー、体力)を補う事を意識してください。

生理に関連する体質③血虚

身体の血液が不足した状態を指しています。

元々少ない血液(循環低下も含む)が出血によりさらに消耗される事で悪化傾向にあります。

血虚 説明

他には
・めまいや貧血傾向
・目が疲れやすい(酷使する事で悪化傾向)
・睡眠途中で身が覚める(不眠)
・顔色が白い(舌や肌の色も白っぽい)
などが見られやすい所見です。

血液の不足は現代のイメージに近く、血液となる栄養の不足を初めとし、血液の循環能力の低下なども血虚を起こす可能性があります。

こちらも瘀血と同様に冷えが見られたり、合わせて乾燥しやすいなどもみられる事が多いです。

血虚の悪化は無月経や周期の遅れにも繋がる可能性があります。

生理に関連する体質④気滞

気の巡りがスムーズではなく、停滞してしまっている状態です。

気滞 説明

気の滞りが症状に繋がるので
・ストレスや環境の変化で悪化
・お腹の張り感が強い(生理に伴って)
・筋肉の張りも強い(生理に伴って)
・イライラしやすい

などが見られやすい所見です。

気の滞りは、現代でいう交感神経の闘争反応に似ていて、緊張状態や異常の興奮状態とも考える事ができます。
比較的呼吸が浅い状態(それも吸気が優位)になる事が多く、”うまく吐き出せない”のも特徴です。

それゆえにストレスを溜めたり、環境の変化によって悪化しやすい傾向にあります。

とここまでが生理に付随する症状の起きやすい4つの体質についてです。

4つご紹介しましたが、ご自身の状態が必ずしも1つに留まるわけではなくて、
例)気が足りなくなった状態(気虚)が元にあって、気を循環させる力が足りなくなって気滞が起きたり、血を生み出せなくなり血虚になったりもするので複合的に見ていく必要があります!

また東洋医学では、季節性の身体に影響を及ぼすものなども存在していて、暑さ(熱邪)、寒さ(寒邪)、乾燥(燥邪)なども体質や身体を変化させます。

体質事のセルフケア方法

東洋医学で考える生理に関する不調は同じ症状があったとしても原因(体質など)は異なると考えるので、一般的なセルフケアに合わせて、体質ごとに注意するポイントを紹介します。

①瘀血のセルフケア

セルフケア①

瘀血状態にある人は「血の循環を高める事」が基本です。
ですので、
・身体を冷やさない
・循環を高める
この2点が基本です。

具体的な対策としては
・レッグウォーマーや腹巻きなどを活用する
・お風呂上がりのストレッチを習慣にする
・筋肉をつける(※運動習慣のない人がいきなり過度に筋トレをすると瘀血を悪化させます)
・1日座りっぱなしをしないようにする

こんな対策が重要になります!
ちなみに水分補給をすると身体が冷えると言うイメージを持つかもしれませんが、水分は血液のためにも欠かせません。

常温以上の水をこまめに飲む習慣も忘れずに行ってください!

②気虚のセルフケア

セルフケア②

気虚状態にある人の基本は
・気(エネルギー)を補う習慣
・無駄に消耗しないようにする
・生成できる身体にする

この3点が基本です。
身体をみていると気虚状態にある人は、エネルギーを生み出す力が低下している方も少なくありません。

エネルギーを生み出す力とは→消化力や吸収力、呼吸の状態、身体の機能などが低下しているようなイメージです。


まずは、エネルギーを作れる環境を整えましょう!
具体的な対策としては
・睡眠習慣の見直し
・内臓の負荷になるような食事の摂り方をしない(一食あたりの量を考えたり、食べるものを見直したり)
・呼吸がしっかりできる環境を作る

これができた上で、エネルギー生成に向いている食事を摂ったり、体力をつけていく事を意識するとエネルギーの消耗を防ぐ事ができます。

エネルギー不足の状態に、あれこれやるのは逆効果だったりもします。
まずは先にお伝えした事を意識してみてください。

③血虚のセルフケア

セルフケア③

血虚にある人の基本は
・血の生成
・血の消耗に気を付ける

を基本に考えましょう。

日中活動時には、血圧や脈拍をあげて活動している事も多いため、東洋医学では血の補充は夜に行われると考えられています。

シンプルに考えてみると夜になれば血圧は比較的落ち着き、心拍数を上昇させる場面も少なくなる。
日中に比べると働きが緩やかになるのは想像できるかと思います。

血虚の人は
・寝不足は要注意
・夜にスマホやモニターによって目を酷使しない
・冷やさない
この辺りを意識してみてください!

もちろん血の生成には栄養素も必要ですのでこちらをご覧になってください!

④気滞のセルフケア

セルフケア④

気滞状態にある人は気を循環させる事が基本です。
今回ご紹介している中ではこれが1番イメージがつきづらいかもしれませんね。

気の停滞は、その言葉の通り「滞る」事が問題です。

例えば
・呼吸も浅く吸うことばかりになってしまっている
・ストレスをうまく吐き出せず溜め込んでいる
・忙しい毎日に息をつく間もない
そんなイメージです。

具体的な対策は
・自分のリズムを作る
・自分の好きな時間を作る
・深呼吸をする
・あえて何もしない時間を作る
こんな事を意識してみてください!

まとめ

いかがでしたでしょうか?
体質別に〜とか状態によって〜とお話ししてきましたが、結局何が言いたいかと言うと全て実は共通しているところがあって、人間が本来持っている機能をなるべく発揮できるようにしてあげる事が大切な事です。

その上に体質とか、生活習慣とか、癖とかがあったりして、タイトルではあえて”東洋医学で考える”
と付けていますがお伝えした内容は「エネルギーをしっかり生み出せますか?」とか「血液の循環高めましょう」とか「しっかり休めていますか?」とか「しっかり食べれていますか?」などと言う事を少し複雑に話しているだけです(笑)

これは現代におけるライフスタイルにおいて少し見逃されがちというか忘れがちだったりします。

今回のブログも皆さんの健康のなにかお力になれていれば幸いです!

最後になりますが、こちらはデリケートな問題であると思いますし、経験のない男性である私が記事を書く事を不快に思う方がいらしましたら申し訳ございません。

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