皆さんこんにちは!鍼灸師オサダです。
今回はお体のお悩みの上位に上がる「眼精疲労」についてお話ししたいと思います。
現代の人は目を使って情報を得る事が多く、慢性的に眼精疲労を抱えている方も少なくありません。
目と自律神経は関わりが深いのはご存知でしょうか?
今回は眼精疲労とは?から自律神経の関与とセルフケアまでお話しますので最後までご覧ください!
眼精疲労とは?
眼精疲労 (がんせいひろう, Asthenopia) とは、物を見ているだけで目の疲れや痛みを感じ、視野がかすんだり、頭痛、嘔吐などが起きる状態。眼疲労(疲れ目)とは異なり、睡眠をとっても症状が回復しないほどの重篤な状態を言う。
こちらがWikipediaに記載されている眼精疲労の定義になります。
いかがですか?
眼精疲労は、目の疲れだけに止まらず頭痛や吐き気、肩こりや身体の緊張など全身に及ぶ症状になる可能性があります。
これは目との関わりが深い「自律神経」や「身体をコントロールする機能」に異常をきたしてしまう結果これらの症状に繋がる事が考えられます。
目をケアする事は自律神経のケアにも役立ちますし、身体の緊張度をコントロールする事にも役立つため、様々な症状のセルフケアにも効果が期待できます。
目と自律神経
まずは目と自律神経の関わりから考えていきましょう!
そもそも目にはどんな役割がありますか?
目は周囲の状況の確認という大きな役割を持っています。
人間の持つ感覚と知られる五感の中でも、視覚からの情報は約80%と言われていて、それだけ日常生活の中で目を使って生活している事になります。
その目を働かせるために「自律神経」の働きが欠かせません。
例えば
・ピントの調節
・目に入る光の調節
・涙の分泌
・目の血管の調節
これらを自律神経がバランスを保ちながら行ってくれています。
自律神経は単純なシーソーではない!というお話を何度かしていますが、これは身体全体を見た時のお話しだと考えていて、今回のように「目」という局所に絞った働きの中では、交感神経が優位な時には副交感神経は活動が抑制されていて、副交感神経が優位な時には交感神経の働きが抑制されるような働きを持ちます。
目と交感神経
目に分布されている交感神経にはこんな働きがあります。
・瞳孔を大きくする
・血管の収縮
・遠くを見るようなピント調節
・瞼を引き上げる
目における働きは周囲の情報を得る事だ!と言いましたが、交感神経の働きとしては基本のベースは「闘争・逃走反応」ですので周囲の情報を積極的に得る事で身の安全を確保するような働きです。
目の交感神経の働きを考えると、目に入る光の量を増やし、周囲を少しでも見れるようにしたり、遠くを見れるようにする事で敵がきた時にもすぐに反応できるようにしたりという準備のように考えられます。
目と副交感神経
今度は副交感神経の働きです。
働きとしては
・瞳孔を小さくする
・ピント調節の筋の収縮
・涙の分泌
副交感神経はこのような働きを持っており、光の調整やピント調節(近くを見る時)、涙の分泌などに関与しています。
一言で言うと緊張度の低い目の状態ですね。
程よく周囲が見渡せるくらいのイメージが近いかと思います。
現代は特にスマートフォンやPC、光なども発達しており、目に対しても情報が過多になりやすかったり休まる時間がなかったり、ピント調整が一定(スマホとの距離)になったり、近くを見る(副交感神経の働き)事は多いのにその内容は刺激が強かったり(ショート動画など)と言うように目の過重労働が起きやすいです。
もし僕が目だったらブラック企業だ‥。と訴えかねません。
目と身体のコントロール
視覚情報は、五感のうち約80%を担っていると言いましたが、皆さんも体感のある事かと思います。
目を開けて片足立ちするのと、目を閉じて片足するのでは安定力に大きな違いがあります。
しばらくこのような運動をしていない人も多いと思うので、これを機にぜひ行ってみてください。
何か掴んだり、支えになるものの近くで目を開けて片足立ちをしたあとに目を瞑って片足立ちしてみましょう。
どうですか?
意外と立てない事にびっくりしませんか?
もちろんこれは色々な働きの組み合わせなので、一概に「目が〜」とか「感覚が〜」と言うわけではありませんが、目を開けると立っていられるけど‥という場合には、日頃自分がどれだけ目からの情報に頼っているかがよくわかりますよね。
反対に言えばこれだけ目を使っているわけですから「眼精疲労」や「疲れ目」というのも起きやすくしまいます。
そう言った意味では目以外の「感覚」というのも非常に大事で、例えば「足底」とか「姿勢保持筋」とか、「耳(内耳や前庭)」とか、「筋肉がしっかり働く様にする」とか。
これらがその時々の状況に合わせて働ける様にしておく事も身体の過剰な反応を防ぐために重要になります。
また目は「後頭下筋」との関係も深く、頭部の位置を正しい位置に保つ”立ち直り反射”という反射がありますが、これも目からの情報を元に後頭下筋が補助する事でこの反射(頭の位置を正す)が完成します。
目からの情報が多くなればこの後頭下筋が疲労する事も考えられ、後頭下筋は姿勢保持筋としての役割もあるため、姿勢を保つ機能に異常がきたしてしまえば他の筋肉(大きな筋肉)を使って姿勢を保とうとする事も考えられます。
それが身体の緊張につながり、しなやかな動きがでない、インナーマッスルが使えない、緊張が抜けないという風に全身に症状が出てしまう事が考えられるわけです。
眼精疲労しっかりケアしたいですよね。
ここからはセルフケアのご紹介です。
眼精疲労のセルフケア
これは目に限らずですが、自律神経も特に偏りすぎる事は問題につながります。
働くべき時にしっかり働き、休むべき時にはしっかり休まる、そんな状態が理想です。
今回は主に眼精疲労のケアとなりますが、今までお話ししたように目⇄自律神経の関わりは深いため自律神経のケアにも繋がるセルフケアをご紹介します。
目を温める
これは血流の確保が目的です。
身体の(目も含む)緊張状態が続くと血管が収縮してしまったり、一定になってしまったピント機能により筋肉の緊張から血流が低下している可能性があります。
目を温めて血流を確保しましょう!
目(まぶた)、目の周囲を優しく圧迫する
これは眼圧や目の鬱血の改善法として知られる手法です。
長時間の目を酷使した状態では眼圧(内側からの圧力)も高くなっている事が多いです。
目が疲れたな〜という時や寝不足の時に瞼を優しく圧迫してみてください。
おそらく疲れがしっかり抜けている時とは張り感が異なります。
まぶたの部分とその周囲の眼窩付近を優しくゆっくり圧迫しましょう!
眼球運動を取り入れる
現代において一定になりやすい目の働きに刺激を入れていきます。
これも久しぶりにやると「全然うまくできない!」という患者さんがいます。
目をしっかり動かして一定になってしまった緊張をほぐしましょう!
背骨の動きを確認する
実は目に行く神経の内、交感神経は胸椎の上部から、後頭下筋を支配する神経は頸椎からと言ったように目の働きと関係の深い背骨。
猫背の姿勢は目や後頭下筋に疲労が溜まりやすくなってしまいます。
背骨を正しく動かす事で”疲労しにくい”という環境を作る事も大切です。
目だけにとらわれず背骨周囲の動きに着目してみましょう!
ポイントとして言えば
・血流を確保する
・長時間、同じ目の使い方を避ける
・過剰な刺激を避ける
こんな事を意識してみてくださいね!
眼精疲労と言っても複合的に症状が起きてます。
まずはこのように目に直接的に関係のあるセルフケアを行いながら、他のケアも合わせることでより効果的なケアにつながります。
参考にしてみてくださいね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
眼精疲労に悩む人は多く、施術のご依頼としても多いお悩みをまとめてみました!
改めて考えてみると現代って目を酷使している事が本当に多いですよね。
冒頭にもお話ししたように目の疲れが自律神経などを介して他の症状につながることもあります。
普段のケアに合わせて目のケアを行なってみてくださいね!
今回も最後までありがとうございました!
コメント