血糖値のコントロールで体調管理

栄養
血糖値のコントロール

みなさんこんにちは!
鍼灸師オサダです。

僕も数年前までお昼ご飯を食べた後、少しの時間をおくと眠くなってしまうことに悩まされていましたが今ではすっかりそんなことはなくなりました!

よく血糖値について話題になることはありますが、血糖値に関してどんな風に考えていますか?
今回は血糖値について深掘りしていきます!

血糖値とは?

そもそも血糖値とはいうけれど‥改めて考えてみると何を言っているのか説明できますか?

血糖値

→血糖値とは血中に存在する糖(グルコース)の値
当然食事によって血糖値は変動します。

詳しく計測したことのない方もいると思いますが、一応血糖値の正常値と異常値を紹介します!

血糖正常値

細かい数値は一旦置いておいて、血糖値の異常としてあげられるのは「高血糖」というところがポイントになります。

高血糖が何を意味するかは、言葉の通り『血中に糖(グルコース)』が多いことです。

しかし血糖値は高くても低くても問題になる可能性があります。

この”問題になる”というのがポイントで、一般的な知識として、高血糖状態(血糖値を下げられない状態)が続き尿から糖が排出される→いわゆる糖尿病を指し、低血糖状態になることは自律神経症状にもつながります。

現代は飽食時代(食物に不自由のないこと)とも呼ばれ、栄養はさておき、ひとまず血糖値が命の危険に晒されるほど、下がることはほとんどなく多くの人が空腹を満たす事ができます。

血糖値に関するあれこれを詳しくみていきましょう!

血糖値を調整する仕組み

血糖値の管理として大切になる臓器は「膵臓」

食事によって糖を摂取することで血糖値が変動しますが、この血糖値のコントロールは主にホルモンによって調整されています。

そしてこの膵臓には血糖値を上げるホルモン(インスリン)も下げるホルモン(グルカゴン)も分泌する特徴があります!

↓血糖値をコントロールするホルモン達はこちら↓

血糖値 ホルモン

ここでお気づきの方もいるかもしれませんが「身体の仕組み」として血糖値を下げるホルモンはインスリンの1つなのに対して、血糖値を上げるホルモンは膵臓からのインスリンをはじめとし数種類のホルモンが存在しています。

これが何を指しているでしょうか?

生命維持と血糖値

そもそも人間にとって血糖値が下がる(下がりきる)事が何を指しているかというと、生命の危険です。

低血糖の症状

糖(グルコース)は細胞にとって大切なエネルギー源です。
では血糖値が下り切ってしまったら身体はどうなるでしょうか?

最悪の場合、命の危険を意味しています。
血糖値を”上げる”システムはこれだけ食べ物が豊富になかった時代(狩りをしていた時代など)にとっては欠かせないシステムでした。

ですが現在ではどうでしょうか?

食べ物たくさん
食べ物たくさん!

血糖値の変化はいつ起こる

血糖値はどんな時に上昇したり、減少したりするのかを考えてみましょう!

血糖値上昇しやすいタイミング

血糖値を上げる条件

主にこんな状態での血糖値の上昇が想像できます。
食事による血糖値の上昇は想像がつくと思いますが、意外に厄介なのはこの自律神経反応における血糖値の上昇です。

血糖値を上げるホルモン(アドレナリン、コルチゾールなど)は、自律神経の交感神経が活動が亢進しているときに分泌が促されます。

つまり交感神経の過剰な興奮が続いてしまうことは血糖値が高いままになりやすい→血糖値が高い状態が続くことは‥。というようにストレス社会と呼ばれる現代において、糖尿病などの病気が増えてしまう事につながるかも?しれないですよね。

ちなみにいくつかの報告で食後の血糖値の上昇はおよそ「1時間後がピーク」になると言われています。

血糖値が減少しやすいタイミング

運動時、栄養の偏り、大量の飲酒などによって血糖値は減少します。

血糖値を下げる条件

簡単に言えば、体内での糖の消費、糖の生成、摂取する糖が少ないと糖は低下します。

ですが、先ほども言ったように極端な糖の低下は命の危険を意味しますから基本的には一定の数値を保つように調整されています。

最近では「低血糖」にまつわる症状が取り上げられていますが、数値的に考えると、本当に危険な低血糖になっているというよりは、「低血糖時に見られる症状が一時的に出る」と考えています。


身体の仕組みとして、適切なタイミングで適切な反応を取れるのが理想です。
血糖値に関しても上下の反動が大き過ぎれば身体に負担がかかることは予想できます。

血糖値の上下動といえば「血糖値スパイク」の話をしないとですね。

血糖値の急激な上下動「血糖値スパイク」

僕のブログを読んでくださっている方には、聞いたことがある人も多いと思います。

血糖値スパイクとは?→食後急激に上がった血糖値の反動として、血糖値が下がってしまう事

炭水化物中心の食事や、甘い物(菓子パン)のみ、などのいわゆる「高GI食品」は急激な血糖値の上昇を起こします。
(→食品に含まれる糖質の「吸収の度合い」を示すもの

その後上がってしまった血糖値を下げようと膵臓からインスリンが大量に分泌されるわけですが、その作用によって反動的に血糖値が減少します。

この血糖値の急激な上昇、下降は血管へのダメージが大きいとされ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めるとされています。

血糖値がジェットコースター状態

そしてそこまでの病気にはつながらないとしても、血糖値の上昇→下降に伴い、自律神経症状をはじめとした様々な不調につながることが考えられます。

現代の生活と血糖値にまつわる不調

おそらく日常生活での不調と考えると、自覚するほど(健康診断での結果も含めて)高血糖での症状に悩む人よりも「もしかして低血糖なのかな?」と悩む人の方が多いように感じます。

現代の生活と血糖値にまつわる不調を考えてみると少しその背景が見えてくるかもしれません。

現代の食生活

どうしても日中は特に忙しく、手っ取り早い食事が選択されやすいのも事実です。

ファーストフード

そうすると血糖値スパイク状態を引き起こす可能性があります。
そしてそのランチを終え、再びデスクへ。

身体を動かすこともなく、体内に糖が増えれば臓器などの身体のもつシステムのみで血糖値のコントロールをしなくてはいけません。

ストレス社会の弊害

ストレス社会と呼ばれるような現代では、自律神経の中でも交感神経を興奮しやすくなります。

そうなると、コルチゾール、アドレナリンらの分泌が亢進。

これらのホルモンには「血糖値の上昇」をもたらす事を先ほども紹介しました。
身体にとって重要なのは必要なときに必要な反応です。

常にこれらのホルモンが分泌されてしまっていたら「いざというときにこれらのホルモンの作用によって交感神経の興奮」が起きにくくなってしまう事も想像できます。

となると、低血糖状態とまでは言わなくても、身体の活動レベルを上げることが出来にくくなります。

朝食を食べない習慣

何かの調査で「4人に1人が朝食を食べない」というのを見たことがあります。

考えてみれば夜9時に食事をしたとして、朝ご飯を食べないとなると次に食事を摂るのが12時。

そんな状態でランチタイムに「高GI食品」を食べたら当然血糖値が乱高下するのが想像できます。

仕事中に眠い女性

身体に負荷がかかり、結果的にシステムに異常を起こし、不調につながりやすくなります。

運動不足・筋力不足

糖の貯蔵先は「肝臓」→「筋肉」→「脂肪組織」となっています。
ですが、筋肉の活動が少なくなると筋肉への貯蔵能力というのは低下してしまうと言われています。

現代の多くの人は運動不足に加え、筋力不足というか、筋肉を使うことが減ってしまっています。
当然筋肉への取り込みが少なくなってしまうと脂肪組織への取り込みが行われやすく肥満(内臓脂肪の増加)などにも繋がりますが、それだけではありません。

運動したくない男性
運動大切!

体内の糖が少なくなったときにはホルモンの作用によって、貯蔵された糖を血中に取り込みます。

その先は主に肝臓、筋肉となるわけですが筋肉への貯蔵が少なければ、血糖値を上昇させるという適切な反応を取りにくくなってしまいます。

運動不足はこんなところにも弊害が出てきます。

血糖値をコントロールする生活習慣

血糖値をコントロールする生活習慣について考えていきたいと思います。
ここまでの流れで血糖値の激しい上下動は様々な症状につながることが想像できたかと思います。

血糖値をコントロールというと少し大袈裟かもしれませんが、なるべく「乱高下」と呼ばれるような急激な変動を防ぐことで、生活習慣病の予防、そして日中に現れる不調の改善が見込めます。

栄養バランスを考えた食事

どうしても手っ取り早くお腹を満たしたい!という事が先行されてしまい、選択されやすい『高GI食品』

栄養バランスを考えた食事をしましょう!
具体的には「食物繊維を取り入れる」事です。一言で言えば野菜も食べましょう!という事。

こんなランチしてませんか?

炭水化物ドーン!
ではなく、三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)に加えて、ビタミン、ミネラルなどもしっかり摂取しましょう!

よく〇〇は腹持ちが悪いからすぐにお腹が空くなんて言いますが、結局それは栄養不足を生んだ結果なのかもしれません。(しかもそう言われる食材の多くは高GI食品)

脂質、タンパク質は特に意識してください!

早食いをやめる

早食いは急激な血糖値の上昇を生む可能性があります。
食事はよく噛んで、「消化・吸収」の流れに無理な負担をかけないようにしましょう!

消化や吸収のシステムに負荷がかかれば当然他の臓器にも負荷がかかることが想像できます。

ながら食いも良い結果を生みませんが、早食いにも注意しましょう!

早食いする女性
もう!欲張りっ!

自律神経のケア

自律神経のケアというのは少し曖昧な表現かもしれませんが、例えば睡眠時間の見直し、深い呼吸を行う、日の光を浴びるなど。

ストレスとしてひとまとめにしてお話ししましたが、長期的な交感神経の興奮は血糖値を上昇させたり、必要な反応が取りにくくなってしまいます。

自律神経のケアとして、身体に緊張と緩和のメリハリをつけるイメージです。

腸内環境の見直し

腸内環境を整えることは自律神経の働きに深く関係しています。
自律神経は主に内臓の管理をしていますので、肝臓や膵臓の働きも例外ではありません。

もし肝臓の働きに異常が出てしまうと、栄養を代謝できなくなり、血糖値の低下が起きてしまいます。

その結果交感神経の働きによる血糖値の上昇、もしくはエネルギー補給のために一時的な”甘い飲み物”や手っ取り早い”お菓子”などを摂取したくなるかもしれません。

ん?その結果身体の中の反応として起きるのは‥「血糖値スパイク」(説明済み)

という負の連鎖にもなりかねません。

腸内環境って大事ですよね⁉︎


と、いうようにあげ出したらきりがありませんがこれまで紹介しているブログ、もしくは今日からできる事を中心に挙げてみました。

こうやって見てみると、「卵が先か、鶏が先か?」みたいな話で連鎖的に不調につながる可能性が考えられます。

自分のできることから始めてみる事をおすすめします!

まとめ

・現代社会は血糖値の変化が起きやすい
・本当の低血糖はそんなに起きないが「血糖値が下がる事による弊害」
・血糖値と自律神経のつながり
・体調不良と血糖値

こんなところをまとめて見ました。

そして最後に僕自身は糖質=悪だとは思っていません。
糖質を上手にサイクルできていないことこそ問題であり、その背景には運動不足や筋力不足があり、偏りのある事が問題だと考えています。

手っ取り早い食事も時に便利ではありますが、自分の食生活と生活習慣を見直してみて、心当たりがある人は参考にしてみてくださいね!

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