皆さんこんにちは!
鍼灸師オサダです。
今回は姿勢を整えるための背骨の話をしたいと思います。
患者さんとの会話でよく出る「姿勢」の話。
姿勢を整えるための「ストレッチ」や「エクササイズ」などは良く見かけますが、姿勢が崩れるのにもいくつかの理由があって、その中でも今回は背骨に着目してお話しをしていきたいと思います。
『姿勢が崩れやすい背骨の構造的な特徴3つ』ありますので早速みていきましょう!
そもそも姿勢が悪い・姿勢が崩れるとは?
ここの定義は曖昧ですが、ここでは通常の姿勢が崩れてしまった状態を姿勢が悪い・姿勢が崩れるとします。
良い姿勢ではないことから『不良姿勢』といったりします。
実際によくみられるいくつかの不良姿勢として、ケンダルさんの提唱した「ケンダル(の)分類」というのが存在しています。
基本姿勢を元にして、その他4つの姿勢が挙げられます。
この姿勢の分類でも基準は『背骨−骨盤』の関係性が挙げられています。
例えば、左右の肩の高さが違う、頭が側方に曲がっている、骨盤の高さが違うといったような左右差もあるかもしれませんが、基本的には「姿勢が悪い」というのは多くの場合、横から見たときに背骨の曲がりが大きくなりすぎているか、正しい湾曲が出ていないかのどちらかと考えると良いかと思います。
背骨の役割を考えてみよう!
背骨の役割ってなんでしょうか?
見方や考え方を変えれば様々な捉え方はできると思いますが、その一つの大きな役割として『身体の支えと衝撃の吸収』があります。
背骨は横から見るとS字に彎曲していますが、この彎曲があることで身体にかかる負荷を分散させています。
反対にこの彎曲がなければ頭の重みや歩く、走るの度に衝撃を直接的に受けることになってしまいます。
もちろん足の関節、膝の関節、股関節などが曲がったり伸びたりする事も衝撃の吸収に役立っていますが、身体の軸となる背骨の彎曲が重要になります!
では曲がれば曲がっただけ良いのか?と言う疑問があるかもしれませんね。
当然答えは『NO』です。
背骨の役割として挙げられる「身体の支え」を考えなくてはいけません。
人間は二足での生活が基本となったことで、垂直方向にかかる重力にも耐える力が必要になります!
仮に「支える」という力がなくなってしまったら‥
こんな感じで身体をうまく支えることができません。
背骨は身体の軸になりますから、しっかり支える力も身につけましょう!
そもそも、姿勢が良いというのは骨格的な配列が正しいとも考える事ができます。
骨格的な配列が正しい=身体(筋肉、靭帯、骨)への無駄なストレスが少ない事を意味しています。
皆さんは新作のスマートフォンが出ると「このデザイン素晴らしい!」
新たに大きなビルができると「この建物良くできてるな〜」
と思う事があるでしょう。
はるかに人間の身体の方がよくデザインされています。
構造的なものに加え、生理的なものまでがシステムとして組み込まれているわけですからね。
ただこのデザインがハイパーシステムが故に私たちの頭を悩ませたりもします(笑)
話がそれましたが、姿勢の悪さが必ずしも症状につながるとは限りませんが、姿勢が悪いと、背骨の支えも弱くなりやすいし、衝撃の吸収も上手くいかなくなります。
支えと衝撃の吸収が上手くいけば、その状況に合わせた姿勢が取れるので、症状の出にくい身体とも言えるでしょうし、パフォーマンスの高い身体とも言えるでしょう!
それを踏まえた上で、お待たせしました!
知っておくとちょっと得する「姿勢が崩れやすい背骨の構造的な特徴3つ」を紹介します。
姿勢が崩れやすい背骨の構造的な特徴3つ
姿勢を崩す要因は「身体にかかる重力」です。
それを必死に耐えたり、耐える事ができなくなるので、背骨が曲がっていきます。
身体にかかる重力に対して必要になるのは主に筋肉です。
だから「トレーニング」や「ストレッチ」が重要になる訳です。
でもちょっと待ってくださいね!
重力ということは「重み」ですから、背骨に対して”重み”がかかってくるところはどこか?という話なんです。
人を横から見た時に荷重がかかりそうな場所が3つあります。
どこか考えてみてください!
想像できましたか?
答え合わせと共に詳しくみていきましょう!
頭の重み
成人の頭の重みって何kgぐらいか知っていますか?
約4~6kgと言われています。
それをどこで支えているかは「首」ですよね。
細い首でスイカ一個分くらいを支えているようなイメージです。
これも首の上に頭が乗った状態の話ですから、皆さんが普段からなりがちなこんな姿勢。
こんな姿勢の時にはその重さは約2倍の『10~12kg』を首で支える事になります。
姿勢が悪いというと代表的な「頭部前方位」「ストレートネック」が挙げられると思いますが、物理的に重さがある頭が背骨に乗っているような状態に加え、日常の生活を考えてみると「なるほどな〜」と思う事ができると思います!
肋骨の重み
次に意外と忘れがちな「肋骨の重み」について考えていきたいと思います。
肋骨は背骨についています。
そして内蔵の保護にも役立ちます。
骨だけでみるとこのように背骨から突き出たような構造をしています。
ですので、胸椎と腰椎の移行部は前に倒れやすくなっています。
肋骨の重みに耐えられないと言った方がイメージはしやすいかもしれないですね!
上半身の重み
背骨は仙骨、尾骨までを含めていうのですが、その構造上、上半身の重みをどこで受けているかというと、腰仙部と呼ばれるこの部位です。
S字の彎曲は上から上から見ていくと
頸部→胸部→腰部→臀部と繋がっていきますが、臀部では腰椎から仙骨に切り替わるところで。その重みがすごくかかりやすくなっています。
骨盤自体は分解して細かく動くというよりは一つのユニットとして動く事が多いので、荷重がかかりやすくなっています。
そのため「反り腰」や「スウェイバック」と呼ばれるような骨盤全体での重みをどうにか逃す選択をとった結果、姿勢が悪いと言われる状態が作られます。
姿勢を整えるためには?
これらを踏まえると、姿勢改善を目的とした「トレーニング」や「ストレッチ」に意味がない訳ではありませんが、背骨の状態を考える必要がありますよね!
そこで考えたいのが「インナーマッスル」の働きです。
インナーマッスルの働きとして代表的なのは「身体の支え」です。
もっと言えば、骨盤にいかに上手く身体の乗せられるかがポイントです。
となると「体幹の機能」が重要です。
インナーユニットの話をこちらでもしていますが、体幹部の安定が身体の支え(背骨の位置)にも役立ちます。
姿勢が気になる方はこちらもご覧くださいね!
結局の所、身体の重心のある骨盤周りの制御ができなければ、そこに乗る首、頭は正しい位置から外れやすくなってしまいます。
インナーマッスルって大事ですよね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
・背骨には「身体を支える働きと衝撃を逃す役割がある」
・構想的に首(頭の重さ)胸椎と腰椎の移行部(肋骨の重さ)腰椎と仙骨の移行部(上半身の重さ)に負荷がかかりやすい
・インナーマッスルってやっぱり大事
こんな話をしてみました!
これらを理解した上で「トレーニング」や「ストレッチ」をするとさらなる効果を期待する事ができます。
姿勢が気になる方も、身体の不調を改善したい方の参考になれれば幸いです!
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