みなさんこんにちは!
鍼灸師オサダです。
「身体の感覚と不安」についてお話したいと思います。
今回のお話はあくまで”感覚”の話ですので個人差はあると思いますが、
「一度気になったことが頭から離れない‥」
そんなようなお悩みを抱えている方のためになれば幸いです。
パニック障害と診断された20歳の頃を思い返せば、常にこの感覚との戦いでしたし、今でも時々そんな形のない不安に押しつぶされそうにもなります。
それでも日常生活には支障がなくなった僕の経験も踏まえてお話していきたいと思います!
3種類の自律神経
これは以前にもお話したのを覚えていますでしょうか?
(実は今年書いたブログの中で最も読まれてる回数が少ないブログです‥😭笑)
一応リンクだけ貼っておきますね!
一応ね!
こちらはポリヴェーガル理論という自律神経の考え方の一つですが、この理論では自律神経は3種類の反応があり、これらが調和していることで私たちの心身の健康は保たれていると考えられています。
必要な時に必要な反応が行われる事で、身体がリラックスできたり、必要な緊張をもたらしたり、程よく内臓が働いたりといったような状態を作ったり、仲間との関わりを作ったりしています。
これはどれが大事ってよりは、どれも大事だから体に備わっているくらいに思わないと間違った認識をしてしまうかもしれません。
(僕があまり好きではない、〇〇=悪と決め付ける系)
自律神経って特別なイメージを持たれやすいですが、どんな役割があるか?というのは以前も説明しています。
(これはめちゃくちゃ読まれました。一応リンク貼っていきますね、一応ね。)
神経の役割は情報のインプットと身体の反応のアウトプットです。
(筋肉も神経の指令があって初めて動くことができますよね)
自律神経も常に周りの情報をキャッチし、身体の反応として身体に必要な反応をとるわけです。
自律神経の場合にはこの反応がうまく取れなくなった状態を
「自律神経が乱れている」
と多くの場合言われています。
ですが、先程載せたブログでもお話していますし、繰り返しになりますが、身体の反応として起きている現象を考えると、あくまで自律神経は”情報に対する反応”です。
つまり自律神経は、その状況に合わせた最適な反応をとっているため、自律神経が乱れている。というのは少し表現として考えさせられる所です。
何を危険と感じ、何を安全とみなすか?
これは僕も経験ありますが、意識的に「大丈夫、大丈夫‥」って思っていればいるほど大丈夫じゃなくなってきた経験ありませんか?
そもそも今の状況を危険と感じるのは”自律神経ではありません”
ではどの部分で僕たちは”危険”や”不安”を察知しているかといえばそれは「脳」です。
これまでのブログでも書いているところになりますが、自律神経症状やうつ、パニック障害、不安障害などの精神的関与の状態を「何をストレスと感じるかは人によって様々だ」なんて話をしてきましたが、これを少し細かく話すと‥
これまでの経験や置かれた環境に応じて、自律神経のシステム(ここでいうのは闘争逃走反応と呼ばれる交感神経によるシステムとします)を発動させるか否かが異なる
という事です。
もう少しお話ししていくと
自分が経験してきた事に、他の条件や環境が結びついて『自分にとって今の環境はストレスだ』と脳が認識します。
認識するといってもこれは自分の意識ではなく無意識のレベルで脳が察知します。
様々な情報を統合してストレスと感じた脳が、自律神経(交感神経)を興奮させ心拍数の上昇、呼吸数の上昇などの反応が起きていきます。
何を危険と察知し、何を安全とするかは人によって異なるので
「恐怖や不安は〇〇で治る!」みたいな情報を鵜呑みにしてしまうのはあまりおすすめできません。
ネットに転がるハウツーの落とし穴
少し話はそれてしまうかもしれませんが、僕がしつこいくらいにお話している「キャッチーな情報の落とし穴」みたいな話をせっかくなのでしてみます。
実は「〇〇は〇〇で治る!」という情報自体が悪いとは思っていません。
それで確かに救われた人や改善するケースもあると思いますし、おそらく載せている人たちも本心でそうは思っていないはずです(そうであって欲しい)
ですが、何が危険か?というと
「その悩みが改善しない矛先が自分に向いてしまう可能性がある」という事です。
どういう事かと言いますと、
「ネットではこういっていたけど、不調が改善しない。きっとこれは自分が悪い」
「誰々はこれで改善したのに、自分は改善しなかった‥」
といったような流れになることで、いつしかこの不調は自分が悪いんだと自分自身が迷い込んでしまう事が危険だと考えています。
犯人探しというか悪者扱いの矛先が自分に向いてしまう事で、抜け出せた循環から抜け出しにくくなってしまっているケースが多く見受けられます。
(当時の自分もそうでした)
その結果自分の不調を探してしまったり、自分の内面にばかり目がむき、現状の自分に捉われてしまう事もあると思います。
もしかするとこれは以前話した「内向きの意識と外向きの意識」にも繋がるかもしれません。
内向きの意識と内臓感覚
ここまで、不安や危険は脳が感じるというお話をしてきましたが、脳がキャッチし指令が送られた自律神経が、脈拍・呼吸などを調整しますが、無意識で行われた反応によって内臓の動きが変化します。(交感神経で言えば緊張や闘争逃走反応)
その内臓の感覚が脳に送られ、自分の身体の状態に気が付きます。
「今私は緊張状態だ!」
ここで初めて自分の意識できるようになります。
僕が”内向きの意識”といっていたのもここに繋がるかと思います。
内臓感覚を管理するのは主に自律神経であり、ここで内臓の感覚が求心性の働きによって脳に送られその状態、状況を感覚として意識レベルに上がってきていると考えています。
今の自分はどうかな?
体調のどこが悪いかな?
と意識を自分の身体に向けてみるとそれらの感覚がより敏感に脳に伝わってくる
これが内向きの意識の結果かと思っているわけです。
決して自分の体調に目をむける事が悪いというわけではなく、そこにしか目を向けなくなる事に注意が必要くらいに思って欲しいと思います。
”ネットに転がるハウツーの落とし穴”でも話したようにそのループが「自分のせい」「犯人探し」みたいになってしまうと中々その渦中から抜け出せなくなってしまう可能性があるという事です。
不調の捉え方を変えてみる
今回のタイトルは「自律神経の不調と不安」でした。
ここまでお話ししてみると、原因のわからない体調不良の原因を「自律神経のせいだ!」といってしまうと少し誤った認識があるように感じていただけましたでしょうか?
だからとって、自律神経の働きのための対策(食事、睡眠、運動など)が意味がないわけではなく、適切に働く事が重要ですので、それらの生活習慣の見直しは大いに効果をもたらしてくれます。
というか、それらがある事で神経の働きを助けてくれるので生活習慣の見直しはおすすめしています。
(鍼や整体もそれらを手助けする事に役立ちます!)
ですが今回は「不安」や「自律神経のシステムが作動するメカニズム」みたいなところの話ですので起きてる現象に対しての話ではなく、起きる前の話がメインです。
そこで不調の捉え方を変えてみるなんて話をしたいと思います。
不調や不安の渦中にいる時は”何もかもが敵”に見えてしまう事もあると思います。
先ほどまで話した自律神経の反応は『自分にとって予測できない状況(環境)』の際には体を緊張させる反応をとってしまいます。
・過度なストレス状態
・何かに追われている状況
・先の見えない不安 など
これらがベースにあると「ひとまず身体を緊張させておけ!」というようなシステムをとってしまうという事です。
同じ生活環境、見える景色は一緒でも、晴れの日や雨の日、四季で景色というのは大きく変わって見える物です。
それと同じように、今置かれてる環境や状況はほとんど変わらなくても生活していると色々な事があります。
実際には「自分が安心していられる状況」や「自分にとっては落ち着く場所」「自分の心地が良い」と感じる事、もっと言えば「問題ではなかった場所や環境」を問題として見えてしまう事もあると思います。
ただこのこれは先ほどの同じ生活環境でも景色が違って見えるというのと一緒で「コンディションによって違って見える」という事を考えてみるといいと思います。
このコンディションは自分だけの問題ではありません。
周りの人との関係、気圧、気温、食事、疲労度なども関係しています。
それこそ人は人と生きていて、1人で生きているわけではありませんから当然と言えば当然です!
ただそのように複合的に感じる問題(不調や不安)を『自分の体験として考えてしまう』
そんな事があります。
実際にはその日の1つの出来事でしかなかった事がいつの間にか「この環境は危険だ」と考えてしまうようにもなってしまいます。
「起きている出来事」は変わらなくても「自分の感覚や体験」は複合的にみてあげてください。
自分の感覚や体験はコンディションによって異なるという認識も必要で、そんな時には「確かに最近こんな事あったしな〜」と考えてみると出来事に対する見え方が変わってきたりもします。
まとめ
なんとまぁ遠回しのブログだった事か。笑
ここまでお読みいただき嬉しく思います。
個別の相談で
・夏の暑さが不安
・生活環境が変わって不安が‥
・最近体調が落ち着かなくて自律神経が‥
そんなお悩みをいただいたのでブログにしてみました。
口うるさいようですが、不安や自律神経の反応には人の経験や過去も関係している物なので複雑で難しい物だと思っています。
それでもこのようなブログ、施術が何かを変えるきっかけになれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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