皆さんこんにちは!
鍼灸師オサダです。
今回は姿勢が悪いと言われる「頭が前に出たような姿勢の何が問題なのか?」という所に焦点を絞ってお話しをしていきたいと思います。
デスクワークが増え、スマホを見る時間も増え気がつくとこんな姿勢になっていませんか?
気をつけないと‥
そんな話をしていきたいと思います!
早速みていきましょう!
不良姿勢の一つ 頭部前方位とは?
頭部前方位という姿勢を知っていますか?
一般には猫背や円背というような背中が丸まった姿勢が話題になることが多いですが、この頭部前方位というのも同様に一緒に見られる事が多いです。
というのも骨は関節を作り連動していますので、突然背中だけ丸まって‥とか、突然頭だけ前に出て‥ということは考えにくいです。
この頭部前方位というのは、文字の通り頭が前に出たような姿勢です。
姿勢が悪いといえばよく見られる姿勢の一つですね!
なぜ頭が前に出たような姿勢が作られてしまうのか?
姿勢を崩してしまう原因というのはなかなか一つに絞ることはできませんが
日常生活の身体の使い方→筋肉のアンバランス→関節への負荷が大きくなる→姿勢が制御できなくなる
このような流れではないでしょうか?
ただ卵が先か、鶏が先か見たいな話で、関節への負荷が大きくなったが故に筋肉のアンバランスを助長させてしまう事も当然あると思います。
その中で頭部前方位(頭が前に出たような姿勢)というのは身体の構造上作られやすい姿勢ともいえます。
以前こちらでもお話ししていますが、頭の重さに加え首の骨胸の骨の移行部は前に重心がかかりやすくなっている部位なので人間の身体の構造上負荷がかかりやすく気がつけば頭が前に出るような姿勢が作られてしまいます。
それに加えデスクワーク、スマホにより前へ出た頭を戻すどころか通常の姿勢から逸脱していくような
生活になってしまっています。
別に困っている事はない!そう思う方もいるかもしれませんが実はこの姿勢は至る所にあまり良くない影響を及ぼしています。
頭部前方位による身体への影響
見方や視点を変えればいくつでも影響は考えられますが、今回はいくつか例を挙げてみていきましょう!
肩こり・首こりが起きやすくなる
これは説明も不要かもしれませんね。
首こりや肩こりを訴える人の多くはこのような姿勢になっています。
上位交差性症候群を聞いたことがありますか?
これは猫背や円背、ストレートネックといった姿勢の際にはある程度のパターンが見られると言われています。
それがこの上位交差性症候群なのですが、こちらの画像で言うと赤の筋肉が短縮(緊張)し、青の筋肉が伸長(弱化)しています。
こっている感覚は、血流量の低下により筋肉内の酸素不足がおき発痛物質を生むことが原因とされています。
当然頭が前に出たような姿勢が続いてしまえば筋肉の緊張がより強くなり肩こりや首こり、痛みとなりやすいのは想像できるかと思います。
最初にもお話ているようにどちらが先かと明確に区別することはできなくても、長時間または長期間このような姿勢が続くことで筋肉のハリやコリに留まらず関節の変形や構造を変化させていく事も想像できます。
身体の機能が低下しやすい
次にこんな話をしてみたいと思います。
首にはどんな役割があるかを考えた時に、大事な頭と身体をつなぐ唯一の部位という事を忘れてはいけません。
そして大事な神経や血管が通っているのももちろんですが、その他にも「後頭下筋群」という大事な筋群が存在しています。
これらの筋肉は固有感覚器と言って、頭の位置や動きを感知するセンサーが豊富に存在していると言われています。
では、姿勢を維持するため(ここで言えば頭がこれ以上前に出ないように維持したり、顎が上がったような姿勢が維持される)の姿勢維持として後頭下筋群が常に緊張状態にあればどうなるでしょうか?
センサーとしての機能が低下し、自分の身体の状態を把握しづらくなる事が考えられます。
そうなると身体は”ひとまず転ばないように。何かあっても問題になりにくいように緊張させておこう”という対策をとり身体全体の緊張度が高くなることも想像できます。
また首の筋肉は身体のコントロールにも関与していて、首の伸筋(顎が上がるような動き)の緊張は背中の筋肉の緊張を生みやすく、屈筋(顎を引くような動き)の指令は体幹部の屈筋も働きやすくなるような動きを持っています。
「私身体ガチガチなのよ‥」という方の多くは首〜肩〜背中の筋肉の緊張を訴えますが、こういった可能性もあるわけです。
首の緊張から身体の緊張を生み身体の機能自体も低下させる。
言い換えてみれば
姿勢の悪い状態が続くことで、首や背中の筋肉の緊張を生み、身体の機能が低下し、姿勢制御が上手くいかなくなる。
そう考えれば一つ姿勢をとっても大事な役割があります。
呼吸が浅くなりやすい
呼吸に関しては2つの点からお話したいと思います。
まずは呼吸に大切な肺と横隔膜が構造的に動きにくいという点です。
先ほど言ったように猫背や円背と呼ばれる姿勢とともにみられる頭部前方位。
深い呼吸には肺、そして横隔膜に十分なスペースが必要です。
このような姿勢はそのスペースの確保ができずに構造的に呼吸が浅くなりやすいです。
次に鼻呼吸ではなく口呼吸になりやすいのもこの姿勢の気を付けたい所!
鼻呼吸を口呼吸を比較してみるとわかりやすいと思いますが明らかに呼吸の深さが違う事を体感していただけると思います。
”なぜ頭が前に出たような姿勢では口呼吸になりやすいのでしょうか?”
これは人間の身体の構造的な要因が考えられます。
↑の図で顎が筋肉に引かれるようなイメージはつきますか?
頭が前に出たような姿勢では顎が下に引かれ口がポカンと開きやすくなっています。
それに加えて、肺や横隔膜が動きにくいので
『楽な口呼吸になりやすい』
その結果、酸素が十分に身体に行き渡りにくく様々な症状につながる可能性あります。
姿勢と呼吸気をつけたいですね!
頭や顔周りの不調につがなる
具体的に言えば、頭痛、めまい、耳鳴りなどです。
これらは中には重い病気が隠れている可能性もあるので、
痛みが日に日に増している
今までに経験したことのない痛み
発熱を伴う痛み
痛みが緩和することが全くない
これらのように心配の場合は一度病院での受診も頭に入れておいてください。
ここでは病的なものではなく、首のコリなどが頭や顔面部の不調に繋がるお話です。
首には大事な神経が豊富に存在し、そのまま頭に繋がるものもあります。
また大事な血管も通っているため首の筋肉の緊張、関節の問題は不調に繋がる可能性があります。
加えて自律神経の繊維も豊富なため、首こりや肩こりが自律神経症状に繋がる事もあります。
枕の高さの調整、日中の生活での姿勢、ストレッチなどで頭痛が起きにくくなったという方もいますし、頭の重いような感覚が薄れたという方もいます。
このような不調でお困りの方はお近くの身体のプロに相談してみるのも良いかと思います。
見た目にも影響する
頭が前に出たような姿勢は見た目にも影響を及ぼします。
漫画やアニメでも、いつもやる気マンマン!みたいなキャラクターで、猫背や頭が前に出たような姿勢なキャラクターというのはあまり描かれません。
これは姿勢が人に与える印象というのもあるかと思いますが、これまで紹介してきた数々の事でもかなり見た目に影響することが想像できると思います。
それに加えて「顔のたるみや表情」にも影響します。
先ほどの口呼吸にもつながりますが、下顎を斜め後ろ方向に引っ張ることで顔の筋肉もその方向に引っ張られやすくなってしまいます。
その結果たるみとか表情筋とか、飲み込む筋肉などに影響を及ぼすため見た目にも影響が出てきます。
姿勢も表情も見た目に影響を及ぼすこの姿勢。
少しずつ気をつけていきましょう!
たかが姿勢、されど姿勢
いかがでしたでしょうか?
いくつか例を挙げてみていきました。
これらを展開していけば、内臓の働き、ホルモンの働き、身体のパフォーマンスの話などいくらでも展開できると思います!
姿勢の悪さ=不調ではない!と言ったりしますがやっぱり見た目もカッコ良く、美しい方が自身も湧いてきやすいと思います。
今回は「頭が前に出た姿勢の危険性?」として幾つか例を挙げてみました!
今までの投稿と合わせて見るとより参考になるかもしれません!
ぜひご覧になってみてくださいね!
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