皆さんこんにちは!鍼灸師 長田(オサダ)です。
自律神経の不調は原因の特定できない不調として体の至る所に症状をきたす事があります。
今回はなぜ自律神経を整えるのに呼吸なのかを話していきたいと思います。
呼吸はどこで管理されている?
呼吸は無意識にコントロールされる「動物」にとって欠かせないものです。
そう言えば呼吸はどのようにコントロールされるか知っていますか?
呼吸は延髄にある呼吸中枢によって調節されています。
(延髄には他にも、心臓血管運動、嚥下、嘔吐、咳、唾液分泌など、生命維持に必要な中枢があります)
延髄にある呼吸中枢によって「息を吸いなさい」「息を吐きなさい」このような指令が出ます。
ではその延髄にある呼吸中枢は何を基準にそのような指令を出すか?を考えていきたいと思います。
呼吸のコントロールは何が基準?
呼吸は何のために行うか?
一つは体内のpH(水素イオン濃度)を保つために行われています。
人体では栄養の代謝などによって酸性物質が発生していますが、体内は7,4±0.05で保たれるようにできています。
このpHは呼吸や排尿によってこの数値を保っているのですが、例えば体内の二酸化炭素が増えると体は酸性に傾くため、呼吸数を増加させ体内の換気を行う。といったように調節を行なっています。
延髄で呼吸を調節するには、体内の情報を受け取る受容器というものが必要です。
受容器は体内の状態をモニタリングし、その情報を脳に伝えるという重要な役割を持っています。
①末梢性化学受容器
その中でも末梢性化学受容器というのは”大動脈小体”と”頸動脈小体”で動脈内の酸素の量をモニタリングし、酸素分圧の低下を迷走神経、舌咽神経を介して延髄の呼吸中枢へと情報が伝わります。
②中枢性化学受容器
こちらは二酸化炭素分圧の上昇を感知し換気を促します。
(脳脊髄液内の二酸化炭素分圧の上昇をモニタリング)
酸素と二酸化炭素どちらもが重要ではありますが、基本的には動脈内には酸素は十分に蓄えられて、体内の二酸化炭素の量が呼吸の調節には重要なポイントになっていると言われています。
呼吸数と自律神経
自律神経が呼吸と関係の深いことはご存知かと思いますが、交感神経が優位(ストレス、緊張、興奮状態など)になると体はより多くのエネルギー(酸素)を必要とし、呼吸数が増加します。
体内の二酸化炭素が増える→酸性に傾く→呼吸数の増加
このような流れはリラックス状態というよりも興奮状態にあり、呼吸が浅くなる事が想像できるかと思います。
(疾患による異常呼吸というよりも日常的な事で想像できる範囲の話です)
また呼吸は心拍数との関係があります。
呼吸性洞性不整脈と言って、健康な人でも不整脈(脈拍の増減)をとる反応を持っています。
メカニズムは割愛しますが、すごくシンプルに言えば息を吸うと心拍数が上昇し、息を吐けば呼吸数が減少するという反応です。
これは健康な人に現れる正常な反応ですので、このブログを読んでいる方も自分で脈を触れて深呼吸をしてみてください!
息を吸うと脈拍が上がり、息を吐けば脈拍が遅くなる事を感じれると思います。
これは受容器からの情報を受け取った延髄が心臓に行く迷走神経と心臓に行く交感神経を介して、心拍数の調整を行います。
受け取った情報が呼気なら迷走神経からは促進、交感神経は抑制というように反対の指令を出しながら心拍数を調節しています。(吸気は反対です。)
よくいう深呼吸でリラックスしましょうなんていうのはこういった意味合いもあると思います!
息を吐く事を意識するとよりリラックス効果があると思いますが、日常的に考えた時には深呼吸はどちらかと言えば対処法で、「日常的に呼吸ができやすい環境を作っておく」ここが重要なポイントだと思います。
呼吸数が増加する要因
呼吸数の増加はストレスによって増加することは想像できますが、
他にも
・食生活(例→添加物の多い食事はpHを低下させるなど)
・呼吸機能の低下(例→呼吸筋の筋力低下から呼吸数を増やして代償など)
といった事が考えられます。
ストレスで片付けてしまうのではなく、ストレスに対応するためにも機能を強くしておく。
そんな考え方があってもいいかと思います!
筋肉の緊張、姿勢の悪さなどは物理的に呼吸を邪魔する要因になりますのでこちらも参考にしてみてください。
→肋骨と横隔膜の関係
https://youtu.be/h4kcl2vI3EQ
自律神経を整える呼吸法
自律神経の不調の多くは交感神経の興奮によって起きています。
それでなくても、長時間のデスクワーク、夜寝る前までのスクリーンタイム、手っ取り早い栄養の偏った食事、運動不足、SNSなどなど自律神経や内臓の不調を生みやすそうな生活様式がベースになっています。
今までの説明も踏まえながら、
ほっと一息つく。自分の時間を作る。スマホを見ない時間を作る。
こんなことを意識しながら
『5秒で吸って3秒止めて7秒で息を吐き切る』
こん深呼吸を意識してみるといいかと思います。
最後までありがとうございました。
私は現在東京都を中心にフリーランスの鍼灸師として活動しています。
鍼灸刺激は副交感神経に作用するといった論文も出ています。
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