自律神経の不調についてもう一度考えてみる

自律神経

こんにちは!
鍼灸師オサダです。

2024年の最初のブログは何について書こうかと悩んでいましたが、今回は自律神経の不調についてもう一度考えてみたいと思います。

以前は自律神経と内臓の働きについてお話ししましたが、今回は自律神経とはなんなのか?という所を深掘りしていきます。(自律神経の働きについて知りたい方はこちら

自分の経験や環境が深く関係してくる自律神経、もう一度自律神経について考えてみましょう。

自律神経は生きるために学習する

突然ですが質問です!

呼吸の方法は誰かに教わりましたか?
消化・吸収の仕方は誰かに教わりましたか?

どんな仕組みについては学んだ事はあっても、呼吸の調整、消化の調整などについて学ぶことなく自然に行われるようになります。

動物として生きていくためには、元々持っている体の働きがあり、それが働く事で生命を維持しています。
その中で自律神経は情動や感情との関係が深く、その反応として心拍数を上げたり、血流のコントロールも行なっています。

考えてみれば、自律神経の交感神経が興奮するとして知られる日常での場面は、「緊張する場面」「心配事がある時」「危険だと感じた時」「驚いた時」というように感情が関わっている事がわかります。

感情というのは、自分自身の感じる感覚であり”人によって”何を不快と感じるのか、何を快感と感じるのかは異なることを知っていると思います。

故に自律神経は自分の経験や体験、環境にも影響を受けています。

ですがそれらの反応は全て生きるため、体の中を一定に保つための反応です。

自律神経の働きを調整する”脳”

自律神経は脳の一部である視床下部によってコントロールされており、この視床下部は大脳皮質や大脳辺縁系からの影響を受けています。

以前のブログでも書きましたが、自律神経は約80%が求心性の働きです。
※求心性→自分の体が今どうのような環境に置かれているのかを判断する力が約80%なのです。

その自律神経の働きから、自分の体内の状況を判断しそれに対するコントロールを脳が行っているという事です。

自律神経の最高中枢である視床下部は、一つの単独の調整を行っているわけではなく、複数の働きのバランスを保ちながら調整を行います。
例えば、ストレスの反応は血圧とともに体温を一時的に上昇させますが、その際には睡眠を促進させる働きなどは抑制されます。

自律神経が行う3種類の反応

自律神経には3つの反応があります。
この理論は”ポリヴェーガル理論”として知られています。

最近では3つの自律神経がある事が目新しい事のように言われるようになりましたが、個人的には3つある事が重要なのではなく、各自律神経の反応がなぜ起きているのかが重要だと感じています。

一つ一つの反応を見ていきましょう。

社会とのつながりを持つ反応

自律神経は良くシーソーのように例えられ、日中は交感神経夜には副交感神経という表現がされますがこの説明では中々解釈が追いつかない所があります。

この時に働く神経は副交感神経の”腹側迷走神経”という集合体。

1日を考えてみると常に緊張しているわけではなく、1日の流れの中で自分が比較的ゆったりまったり過ごしている時間があることに気がつくと思います。

例えば自分の心を許せる人たちとの時間、パートナーとの時間など、自分にとって『安心できる時間・安全な空間』こんな時は自律神経の中でも副交感神経の働きとなります。

身体を緊張・興奮させる反応

自律神経の障害として問題として挙げらがちな”交感神経”ですが、もちろん身体にとって必要があって存在しています。

まだ狩りなどをしていた時代は「闘争・逃走反応」としての働きというような表現でしっくりきたかもしれませんが、現代で言えば「緊張や興奮」の反応と言い換えた方がわかりやすいかもしれません。

交感神経の働きから身体の緊張状態や興奮状態の活動で、心拍数をあげたり、血圧をあげたり、呼吸数を増加させたりと言ったような働きを持ちます。

この時交感神経の働きが長期的になってしまったり、過敏になってしまうことで消化器系の働きが低下したり、内分泌系(ホルモン)の働きに偏りが出る事が多いため、様々な不調につながりやすく自律神経の問題として挙げられます。

生命維持を行う反応

2種類の自律神経の話ですと↑ここまでで終わる事が多いのですが、実はもう一つの反応が存在しています。

生命を守るために臓器の活動を最低限な反応であり、この反応は、交感神経ではなく副交感神経の働きによって起きていて、先程の社会との繋がりの副交感神経とは発生的な違いを持ち、背側迷走神経と言います。

この状態は無感覚、無感情なような状態です。


各反応についてはまとめましたが、基本的に生活の中ではこの3つの反応が複合的に合わさって機能しています。

一番最初にお話しした、副交感神経の腹側迷走神経系が基本となりながら交感神経、副交感神経(背側迷走神経)が揺れ動いているようなイメージです。

これらは機能の話であって、反応自体のトリガーは人それぞれに違ったりします。

理論で片付きにくい自律神経の不調

と、お話ししてみると単純な感じはしますが理論で片付きにくいのが自律神経の不調でもあると僕は考えています。

先程もお話ししたようにあくまで身体の反応であって、その反応を切り替えるトリガーは人それぞれに違ったりします。

自分の経験や記憶などもここには関与していて、Aさんにとっては嫌な環境でもBさんにとっては心地良い環境であったりするので理論だけで片付けるのが難しい所。

ありふれている情報の自律神経には〇〇(方法や習慣など)というのはあくまで機能に対しての方法であって、自律神経の不調に対しての解決策ではなかったりします。

自律神経系の不調という症状とそれらのトリガーを引き起こす物の解決は似ているようで似ていない少しもどかしい部分に入っていくと思います。

人の持つ生体リズムに注目する

自律神経系の不調にお悩みの方の施術の中で意識している事は生体リズムという、人のもつ身体のリズムについてです。

例えばですが、日照時間も異なる環境下にあるので、夏と冬では施術の順番や施術内容は変わっていきます。

人間は1日の中でもこの生体リズムは揺れながら自分にとってちょうど良い所を保っています。
もっと長期で見れば1年を通して変化していきます。
施術を通してできる事はこのリズムに対する刺激であると考えています。

また僕も自律神経にまつわる投稿をしているわけですが、例えば腸内環境、睡眠、運動習慣などはこの生体リズムのベースの修正と考えていて、自律神経の機能を改善していく事のきっかけになると考えています。

自律神経とどう向き合うか?

よく心と身体は繋がっているみたいな話が取り上げられると思いますが、まさにそれを体現しているのが自律神経だなぁと感じる時があります。

ここまで読んでくださっている方にも申し訳ないくらい、まとまりのない文章な気がしますが、これは自分の体験から表現が曖昧になってしまう事も、もしかしたら理解していただけるかもしれません。

その中で「自律神経」とどう向き合うか?を考えてみれば「少しだけ丁寧に。少しだけシンプルに。少しだけ生きやすく。」そんな事が大切なのかもしれません。

その1つとしてポリヴェーガル理論における自律神経の3つの反応をあげてみました。

自律神経を乱す原因として挙げられるのは「ストレス・食習慣の乱れ・睡眠習慣の乱れ・寒暖差・気圧」といったような所で中々全部を改善する事は難しいし、ストレスって言われても個人差があったりしますよね。

でも自分で変えられる所もあります。
食習慣(腸内環境も含む)や運動習慣などはわかりやすく変えられるところですよね!

いわゆるベースの見直しです。
そのために参考になればと思い投稿の継続をしています!

↑などなど。

ベースが整うとスッと身体が楽になる人も沢山いて、自分の不調を見つめ直す良いきっかけになるかもしれないですので、参考にしてみてください!

そして自律神経にまつわる(精神的な不調も含む)ありふれた情報にとらわれずぎて苦しむ人が少しでも減れば良いと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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