歩き方から考える靴のすり減り方〜正しいのは外側?内側?〜

靴がすり減るのは内側 外側? 体の仕組み

皆さんこんにちは!鍼灸師オサダです。

今回は「靴のすり減り方を歩き方から考える〜正しいのは外側?内側?〜」というタイトルでお話ししたいと思います。

というのも最近インソールのご相談が増えまして、こちらを参考にしていただけると良いと思います。

ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、僕はフォームソティックス・メディカルのインソールを作成する資格を保持しており、日頃の臨床やスポーツ現場では、患者さん、選手の状態によって必要な場合には作成を行っています。

気になる方はフォームソティックス・メディカルのHPもご覧ください。

それでは早速「歩き方から考える靴のすり減り方」について解説していきます。

まずは自分の靴をチェックしてみましょう!

靴のすり減り方は足首だけに留まらず、膝、股関節や身体全体の使い方の癖が出ています。
まずは事前情報無しで自分がよく履く靴の踵の部分を見てみましょう!

靴底

どうでしょうか?

踵のどの部分がよくすり減っているか
・全体のすり減り具合
左右差

を見てください。
まずは人間が歩く時の身体の仕組みから考えたときの理想を発表したいと思います。

踵の擦り減りで正しいのは外側?内側?

ズバリ!

外側

が正しい歩き方に近いと考えられます。

なぜ靴の外側が擦り減るのが正しいのか?その秘密は歩くときの体重移動に隠されています!

人は歩く時にどの部分から地面に着地しますか?
足の中でも踵から地面に着地しますよね!

歩行

その時に細かく見ると踵のやや外側が先に着地します。

さらに、踵が地面につく時というのは、片足で支えているタイミングから反対の足の推進力が合わさって運動のエネルギーが高まるタイミングです!

つまり、歩行の中で運動エネルギーが高まり歩行速度が上がるタイミング→踵の外側が最初に着地する。

そう考えると靴のやや外側がすり減っている事は自然の事です。

歩行の際の体重移動

ですが、油断するのはまだ早い!(今回のブログなんかウザかったらすみません。笑)

最初のチェック項目として、
・踵のどの部分がすり減っているか?
・全体のすり減り具合
・左右差
を見ましょう!とお伝えしました。
踵をチェックした後に靴底全体でどの辺りがすり減っているかを見てみましょう!

歩行中の体重移動

こちらは歩行の際の足底の体重移動の大まかな方向です。

と、考えた時に踵のやや外側が擦り減っていたからOK!ではなくて、
例えばつま先の方はどの辺りが減っているか?足の真ん中くらいはどうなっているか?によっても足のつき方〜蹴り出す時の癖が出てたりします!

そして最後に「左右差」
パッと見ただけで差を感じるような場合には、きっと歩き方にも左右差があり、もしかしたら膝痛、股関節痛、腰痛などをお持ちの方も多いかもしれませんね。

左右差

人間の歩行は簡単にできているようでかなり複雑な動きの組み合わせで起きています。
ですがそれらは必要最低限のエネルギーで(いわゆる省エネ)歩けるようにできています。

もちろん踵、全体の擦り減りの位置が理想から逸脱している場合には、歩行でのエネルギー消費は多くなりますが、特にこの左右差が大きいというのは、エネルギーを消費する事に繋がりそうです。

かかとの擦り減り位置での考えられる状態

と、ここまでで「歩き方から考える靴の擦り減り方〜正しいのは外側?内側?〜」の答えはなんとなくイメージがついたかと思います。
あくまで参考程度にまとめると

・踵〜土踏まずぐらいはやや外側
・つま先部分は親指の付け根くらい
・擦り減りが一部位に集中しすぎない(特に重心位置以外のところに)

気になる方はお近くの信頼のできる先生に聞いてみると良いと思います!
これ以外の擦りすり方の場合にはどんな事が考えられるかみていきましょう!

踵の内側がすり減る場合

足底 内側

通常歩行の際に足のつき方として理想は「外側が着くこと」というお話をしました。
踵の内側がすり減ってしまっているということは→正しく足を地面に着地できていない事が予測されます。

この際に何が問題になるかと言いますと、内側がすり減る場合の多くは

足部の内側縦アーチが潰れてしまっている、いわゆる「扁平足」の状態

にあるという事です。
もう少しお話しすると足部は唯一”地面と接地する”大切な部位です。

ですのでこの内側縦アーチがなくなった状態では、

・足部からの衝撃が上手く吸収できない
・足から上に伝わる力が正しく伝わらない

この2点を中心に、膝や股関節への力の伝わり方、バランス感覚の異常、歩行におけるエネルギーの増大などが起きてしまい、痛みや違和感、パフォーマンス能力の低下に繋がってしまいます。

靴の内側がすり減っていて、どこかに症状を抱えている場合、こういった展開をしていくと、その部位だけでなく足部の使い方もすごく重要なのがわかるかと思います!

過度な外側のすり減り

足底 外側

外側がすり減るのが理想と言ったものの過度に外側がすり減ってしまっているのもリスクが隠れています。

過度に外側がすり減る場合には、いわゆるガニ股やO脚と呼ばれるような状態にある事が多く、足が着地から蹴り出しまでの間の足底にかかる体重移動の方向が変わってしまいます。

例えばこの動画のように足が外側に向いたままの歩行では先に外側ばかりが地面についてしまい気がついたら外側が異常にすり減っている。そんな可能性も考えられますよね。

なかなか表現が難しいですが、踵の部分は「やや外側が適度に減っている」そんなイメージが正しい歩行に近いと考えられます。

真ん中の部分が目立ってすり減っている

足底 真ん中

真ん中の部分がすり減っている場合にもいくつかの可能性が考えられますが、例えば足をするような歩き方やふくらはぎ〜アキレス腱部での硬さがあり、足関節の動きが正しく出ないなども考えられます。

歩行って色々な関節の動きが組み合わさって完成しているのですが、足首の動きはかなり重要な役割を担っています。

歩行の際には足首を中心とした回転軸を持ち、衝撃の吸収、体幹の持ち上げ、蹴り出しというのをスムーズに行なうため足首が正しく動かなくなる事で足底にかかる体重移動も変わってします。

左右ですり減り方が異なる

左右差

これはなんとなく良くないんだろう。というイメージはつくかと思いますが、左右非対称な動きというのは消費するエネルギーが増えてしまいます。

ここでいうエネルギーの消費とは「動く必要のない筋肉たちを使って」というのが前提になります。

つまり左右非対称な歩き方というか、関節の動き、体の使い方というのは、筋肉たちを過剰に働かせたり、靭帯の緊張などを生み色々な症状につながる可能性があるということになります。

これに関しては右の足のつき方を左が代償しているとも(逆も然り)考えられるためやはり全体を見る必要はあると思いますが、左右でのソールのすり減り方はこれまで紹介したものを参考にしてみてください!

まとめ

いかがでしたでしょうか?
意外と自分の知らない自分の身体の事ってたくさんありますよね!

今回は「歩き方から考える靴のすり減り方〜正しいのは外側?内側?〜」でした。

最後に注意点!
自分の靴底が外側が、内側が、真ん中が〜って意識しすぎると歩き方がおかしくなってしまうことも考えられます。

気になる方はお近くの信頼できる、詳しい先生に相談してみてくださいね!

最後までありがとうございました!

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