現代社会は便利であると同時に、あまりにも騒がしく、忙しすぎる。
SNSでのショート動画。
すぐに答え(っぽいもの)を教えてくれるAI。
知る必要もない誰かの暮らし…
気づけば、頭の中がいつも何かで埋まってしまうような毎日を送っています。というよりもなにも意識していなければ埋まってしまうのが、今の時代なのかもしれません。

このブログの中心に置きたいのは、
「埋めること」と「満たされること」の違いについてです。
少し手が空けばスマホを見る。
ネットの情報でひとまず安心する。
自分とは無関係な人の何かで心が動いてしまう。
迷えば「正解っぽいもの」を取りにいく。
そうやって僕たちは、知らないうちにたくさんのものに頼りながら生きています。
もちろん、これらがすべて悪いということではありません。
これもまた、情報社会の恩恵の一つです。
その一方で、ふと、この状況は
「満たす」ではなく「埋める」に近いのではないか
と思うことがあります。
たぶんそれは、特定の何かのせいではなく、なんでもない日常によっていつしかそんな状態が作られ、いつの間にかそれが当たり前になってしまっているのだと思います。
またオサダの長めの小言に少し、お付き合いください。笑
昔のiPodは良かった
皆さんは音楽を何でお聞きになるでしょうか?
きっとスマートフォンが1番多いと思います。
そして今やほとんどがサブスクで、聴きたい曲があれば、すぐに検索して、すぐに流れてくる。
昔のiPodなどは今の時代から考えると
わざわざアルバムを買って、
わざわざパソコンに入れて、
わざわざiPodに移して、
わざわざ持ち歩いて聴いていました。
お小遣いも少なかったので一生懸命お金を貯めて買った事を覚えています。
(ちなみに自腹で初めて買ったアルバムって覚えてます?笑)
今と比べてしまえば、かなり非効率です。

でも、あの“わざわざ”が良かった。
すぐに流れてくるものではなく、自分で選んで、少し手間をかけらからこそ、一曲一曲がちゃんと残っていた気がします。
アーティストが好きで、曲が好きで‥。
このわざわざは今はなんとなくに変わっていて
なんとなくスマホを開く。
なんとなく次の動画を見る。
なんとなく誰かの考えを読んで安心する。
なんとなくまた別の何かを探してしまう。
そういった一つひとつは、その瞬間の気を紛らわせてくれることもあります。
でも、その“なんとなく”が積み重なるほど、自分の感覚よりも先に、外から入ってくるもので頭の中が埋まっていく。
それがすぐに不調になるわけではないし、すぐに「満たされない」と感じるわけでもありません。
ただ、そういう時間が増えるほど、
ふとした時に落ち着かなかったり、
何もしていない時間に耐えづらくなったり、
また何かを探したくなったりする。
そういう形で、少しずつ“満たされなさ”は作られていくのかもしれません。

満たすと埋めるを考える前に‥セロトニンとドーパミンの話
では脳や身体の仕組みからこの満たされると埋める違いを考えてみたいと思います。
快楽ホルモン、やる気ホルモンと呼ばれる『ドーパミン』
幸せホルモン、幸福ホルモンと呼ばれる『セロトニン』
この2つのホルモン(神経伝達物質)については聞いたことがあるでしょうか?
簡単に説明します。
セロトニンとは?
セロトニンとは、脳や身体の状態を整えて、落ち着きを保つ神経伝達物質です。
・ドーパミンやノルアドレナリンなどの働きを調整し、精神の安定に関わる
・感情や意欲に関わる脳の働きに影響する
・自律神経のバランスに関わる
といった特徴があります。
セロトニンは、何かを強く変えるというよりも、
こうした様々な働きとバランスを保って、状態を整える役割を持っています。
その結果として、身体だけでなく精神の面でも落ち着いた状態が保たれやすくなる。
こうした“安定した心地よさ”に関わることから、
セロトニンは「幸せホルモン」や「幸福ホルモン」と呼ばれています。

ドーパミンとは?
ドーパミンは一般的には「やる気ホルモン」と呼ばれることが多い脳内の神経伝達物質の一つです。
では、ドーパミンはどのような働きをしているのか。
・何かを得られそうなとき
・新しいものに出会ったとき
・次に何が起こるか分からないとき
などに働きやすく「もっと知りたい」「次にいきたい」といった
行動を促すきっかけに関わっています。
つまり、何かを手に入れた“結果”というよりも、
それに向かっている“過程”で働きやすいのが特徴です。

満たすと埋めるの違いをドーパミンとセロトニンから考える
さて、ここまで来たところで話を戻して、脳を満たすと埋めるの違いについて私の思っている事を解説します。
私たち人間はこの時代になるまでは、狩りに出たり、食べ物を探したり、自分達の安全を守るために行動する
→つまり生存のために自分の中で考えた事や思った事を行動に移し、その過程でドーパミンが出て、より良い環境を求めるために動いていたと考えられます。
つまりドーパミンが自らの行動を決める内発的な動機(内側から発するきっかけ)で自らを満たしていたと考えられます。
ですが現代の生活ではどうでしょうか。

ネットを開くと、最近気になっていた商品が、話を聞いていたかのように羅列されています。
SNSを開くと、自分が興味のあることだけではなく「こんな動画も見てみたら?」と自分の興味関心をまるでスマホがモニタリングしているかのようにおすすめしてきます。
そして気がつくと10分、20分、1時間と時間を溶かしてしまいます。
しかも内発的な動機があった場合には、目的があるため、何かを達成すればそこで終わりであり、達成感を得る事ができます。
ですが、次々に出てくる情報が終わりなく続いていく‥。
ドーパミンは行動の指針となるとともに、生存のために次を求め続けるという働きも持っています。
なぜなら生存するために「食べ物を探す」「安全のために移動する」これは当然の行為であるからです。

この現代におけるメリハリのないドーパミンの分泌は日常に起こる小さな問題として現れていると感じます。
ドーパミンは依存症との関係もあるとされていますが、この終わりのない情報や刺激が、「もう少し」「次も」といった状態が続きやすくなり、同じ行動を繰り返しやすくなるからだとされています。
結果それは、何かに満たされているというよりも、
ただ“時間や感覚を埋めている状態”に近いのかもしれません。
最近ネット上で流行ったお笑い芸人のドンデコルテの銀次さんの動画をみたでしょうか。
「私は豊かです。豊かさとは持っているものの多さではない。例え無駄なことでも自分が楽しければとことん楽しむ。」
これは昨今での手っ取り早さやすぐに得られる正解っぽい事との反対で、大事な何かを思い出した言葉でした。
さて豊かさや満たされる感覚とは何を指しているのでしょうか。
セロトニンは幸福ホルモンと呼ばれるのは理論的に言えば、
・ドーパミンやノルアドレナリンなどの働きを調整し、精神の安定に関わる
・感情や意欲に関わる脳の働きに影響する
・自律神経のバランスに関わる
と紹介しました。
もっと分かりやすく言うのであれば、
セロトニンが幸福を直接作るのではなくて、
特別な何かよりも、呼吸が穏やかで、身体の力みが抜けていて、なんとなく安心していられる。
そういう状態の中であれば、私たちは“満たされている感覚”を感じやすくなります。
それは強い刺激や一時的な快楽とは違って、どちらかというと静かで、あまり目立たないものかもしれません。
だからこそ、外から何かを足し続けなくてもその感覚は保たれやすい。
結果的にそれが幸福につながっているのだと思います。
少し乱暴な言い方かもしれませんが、
ドーパミンは「埋める」方向に働きやすく、
セロトニンは「満たす」感覚に関わりやすい、
そんなふうにも捉えられます。

「もっと知りたい」「次を見たい」というドーパミンに対して
今の状態を安定させて、落ち着いて感じるためのセロトニン
だからこそ、何かを足し続けている時と、
何も足さずに落ち着いている時とでは、
同じ“満足感”のようでいて、少し違う質のものが生まれているのかもしれません。
だからあなたを満たすものが、誰かの正しさ(一部を切り取ったような情報、一見よく見えてしまう何か)ではなく、あなたの中にある何かで満たして欲しいと感じます。
昔のiPodが良かったのは、好きな音楽を楽しむために少し手間をかけていたからこそ、聴けたときの満足感があったのだと思います。
誰かの正しさに踊らされなくても、今、自分が信じた何かをやってみる。
誰かとの比較ではなく、いつかの自分を思い返してみる。
今大切なことは、何かを足すことよりも、何かを“しない”選択をしてみること。
それが、自分を満たすための時間や、余白につながっていくのかもしれません。
あなたを満たすものが、誰かの何かや正しさではなく、あなた自身の中にあることを願っています。

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